ザ・ビーチ・ボーイズの元ドラマー、デニス・ウィルソンの伝記映画、遺族財団は今後関与せず
ザ・ビーチ・ボーイズの結成メンバーの1人で、ドラマーだったデニス・ウィルソンの伝記的映画の製作が、延期されたまま、遺族財団がこれ以上製作には関与しないことになり、立ち消えとなる可能性が高くなってきたとThe Hollywood Reporterが報じた。
本作は、映画『ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡』(日本劇場未公開)などのランドール・ミラーが監督、主演のウィルソンにアーロン・エッカートが決まっていた。しかし、エッカートは、歌やピアノ、ドラムの練習に6か月も費やしたにもかかわらず、当時撮影が終了したばかりだった『アイ、フランケンシュタイン(原題) / I, Frankenstein』での疲労が理由で、2012年6月に予定されていた撮影開始の直前に降板し、製作は暗礁に乗り上げていた。
ウィルソンの息子カールと娘ジェニファーは、遺族財団の代表であり、また共同プロデューサーとして本作の製作に関わる予定だったが、『ボトル・ドリーム』の脚本家でもあるジョディ・セイヴィンによる脚本が気に入らず、そのことも製作準備を遅らせていた。
結局、財団はThe Hollywood Reporterに、今後本作の製作に関わる予定はないことを、メールで明かした。
本作では、1983年に、自ら所有するヨットから酔った状態で飛び込み溺死したウィルソンの晩年の数年が描かれることになっていた。財団により、ウィルソンのソロアルバム「パシフィック・オーシャン・ブルー」の楽曲使用が許可されていたが、財団が手を引いた今、再び本作企画の立て直しはあり得るのだろうか。(鯨岡孝子)