『魔女の宅急便』実写映画化を原作者・角野栄子が語る!「日本で良かった」
児童文学「魔女の宅急便」の著者である角野栄子が、同作の初の実写映画化について語った。魔女の血を引く少女キキの成長を描いた「魔女の宅急便」シリーズは、1985年に誕生して以来、2009年に第6巻で完結するまで国内で累計180万部を売上げたロングセラー小説。アジアやヨーロッパでも翻訳版が刊行されているほか、1989年には宮崎駿監督によってアニメーション映画化、1993年には蜷川幸雄の演出でミュージカル化されている。
それらの作品を「皆さんがご存じのキキがいるでしょ? アニメのね。それから蜷川さんがミュージカルにしたでしょ。今度は清水(崇)監督。いろんな方が創ったキキを見られるというのはとても楽しかった」と振り返った角野。今回の実写映画化についても「わたしのキキはわたしの中にいるんだけど、宮崎さんのキキ、蜷川さんのキキ、清水さんのキキっていうのが、またそれぞれ違って面白いかな」と思ったという。
実写映画化に関しては、一度はハリウッドのメジャースタジオが映画化権を取得したが、期限内に製作するには至らず。権利が戻ってきた2009年に第6巻でシリーズが完結したということもあり、改めて日本での実写化プロジェクトが始動した。角野は「(ハリウッドでの)お話もあったんですけどね」と認めつつ、「でもやっぱりハリウッドってパワーがあって、物語を変えたりするってこともあるらしいから、かえって日本で良かったかなって思います」と語る。
また、舞台となるコリコの町は「どこの国でもないと思って書いているんです」と明かした角野。今年6月にキキが居候するパン屋のオープンセットが組まれた香川県小豆島を訪れた際には「日本でやるのってどんなのかなっとちょっと思ったこともあるんです。けれども、今日見てびっくりしちゃった。素晴らしいロケーションですよね」と満足そうな笑顔を見せ、「中の造りもとてもパン屋さんらしいっていうか、キキが座ってそうな感じ。そして海が見えてね」と原作の世界観の再現度にお墨付きを与えている。
映画『魔女の宅急便』は、『呪怨』などで世界的にも知られる清水崇監督が手掛けるファンタジー。キキには角野に「とてもかわいい。でもかわいいだけじゃないんです。ちょっと強さもある」と評された小芝風花がふんし、尾野真千子、宮沢りえ、筒井道隆、浅野忠信、新井浩文など豪華俳優陣が脇を固めている。(編集部・市川遥)
映画『魔女の宅急便』は2014年3月1日より全国公開
映画『魔女の宅急便』情報はニコニコ生放送「きぬきぬのまじょたくカフェ」にて配信中