ビリー・クラダップを直撃、クライヴ・オーウェンと兄弟役を演じた話題作とは?
映画『あの頃ペニー・レインと』、『ウォッチメン』の演技派俳優ビリー・クラダップが、新作『ブラッド・タイズ(原題) / Blood Ties』について語った。
ビリー・クラダップ出演映画『パブリック・エネミーズ』写真ギャラリー
本作は、1974年のニューヨークを舞台に刑務所から出所してきたばかりの兄クリス(クライヴ・オーウェン)のために、若き警官の弟フランク(ビリー・クラダップ)は仕事を見つけ、クリスが子どもと元妻モニカ(マリオン・コティヤール)とやり直す機会を与えるが、過去にとらわれたクリスは再び犯罪に手を染めていくというドラマ。ジェームズ・カーン、ミラ・クニス、リリ・テイラーなどが共演。映画『唇を閉ざせ』のギョーム・カネ監督が、ジャック・マイヨ監督の『Les liens du sang(原題)』を米版リメイクした。
弟フランクは警官だが、過去に問題を抱えている設定だ。「ギョームは警官のフランクが過去に問題を抱えていることで、人生の矛盾を描きたかったと思う。さらにフランクは、なぜジェームズ・カーン演じる父親が犯罪者の兄クリスばかりをかわいがるのか疑問に思っていて、表向きは良い警官フランクだが、家族内では厄介者扱いをされている。でもこのような兄弟の環境は、2人の兄弟が居る僕には良く理解できる設定だった」と明かした。
豪華な俳優陣と共演して「リリとは15年前にニューヨークの舞台『スリー・シスターズ』で共演したことがあった。彼女の仕事ぶりには敬意を表している。ジェームズ・カーンはアメリカを代表する俳優の一人で、長年彼に憧れていた。脚本はかなり複雑な家族設定だっため、演技も難しいと思われたが、演技派の俳優陣のおかげで、僕とクライヴはかなり演じやすい環境で演じられたよ」と感謝した。
ジャック・マイヨ監督のオリジナル版について「実は観ていないんだ。これまでオリジナル作品を鑑賞しても、手助けになったことがなかったからね。キャラクターは、監督や共演者を含めたコラボする人たちとシーンごとに生み出され、脚本を基にそれぞれ俳優がイメージを働かせて製作していくものだ。それにギョームは、オリジナル作品で僕が演じた役を俳優として演じていたが、僕とオリジナルの役について情報をシェアすることに全く興味を示さなかっため、僕なりに演じた」と答えた。
映画は、2時間以上の作品だが、過去にとらわれた家族の真相が徐々にひも解かれ、最後まで飽きさせることのない作品に仕上がっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)