『そして父になる』が南米カルタヘナ国際映画祭でインターナショナル部門最高賞の快挙!
カンヌ国際映画祭の審査員賞をはじめ、数々の賞を受賞している是枝裕和監督の『そして父になる』が、南米コロンビアで開催されているカルタヘナ国際映画祭で新たな栄冠を手にした。
今年で54回目となるカルタヘナ国際映画祭は、ラテンアメリカでも最も歴史が古く、最大規模を誇る。ラテンアメリカの作品を集めた長編部門や、ドキュメンタリー部門、コロンビア国内の作品のみの部門のほか、南米以外で、すでに評価された各国の作品を集めたインターナショナルの部門「GEMAS」(輝ける作品たち)で、『そして父になる』が見事に最高賞に輝いた。同カテゴリーには、今年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した『グレート・ビューティー/追憶のローマ』や、昨年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した『罪の手ざわり』など、そうそうたる作品が候補となっており、それらを押しのけて日本の作品が受賞したのは快挙と言っていいだろう。
『そして父になる』について、審査員の一人でコロンビアの映画批評家は「日本の現実を何も知らない私にとっても、普遍的なストーリーとして迫ってきた。文句なしの受賞」と絶賛。一般観客を集めた上映でも、「全キャストの演技がすばらしかった」「いったいどうやって演出したのか?」「この監督はどんな作品を撮ってきたのか?」とその反応は他の作品に比べても圧倒的に大きかった。是枝裕和監督の思いとキャストたちの熱演は、地球の反対側の人々にも熱く伝わったようだ。(取材・文:斉藤博昭)