登山シーンに違和感ナシ!女性初のエベレスト登頂者が3D山岳映画に脱帽
1953年にエドモンド・ヒラリーによって達成されたエベレスト初登頂を3Dで描いた山岳映画『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』の公開記念トークショーが16日に行われ、女性として世界初のエベレスト登頂を果たした登山家・田部井淳子氏と、エドモンドの息子で冒険家のピーター・ヒラリー氏が登壇した。
映画『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』場面写真
本作は60年前、人類未踏の8,848メートルに挑んだエドモンドとシェルパーのテンジン・ノルゲイの姿を追った山岳ドラマ。この日は田部井氏が初登頂を果たした記念日(1975年5月16日)でもあり、田部井氏はかつての登頂を振り返って「もう39年前のこと。当時35歳でしたから、今の年がばれてしまいますね」としみじみ。
本作では字幕監修も担当しており、「すごいのは60年前の映像が今も残っているところ。それが再現された映像と交じって(登山シーンにも)違和感がなくて驚きました」と感想を述べ、面識があったというエドモンドについても「わたしが登頂したころ、彼は登山だけでなく、現地で学校を建てたり、登山以外のことにも貢献していた。とても優しい人。わたし自身が環境問題を考えるきっかけになった人でもあり、尊敬しています」とその人柄を述懐した。
エドモンドの息子であるヒラリー氏も「父は山に一目ぼれして人生を決めた。そして、山登りと同じくらい大切にしていたのが現地の仲間との友情。わたしもそんな父に影響されてヒマラヤで登山をしながら、現地の教育のサポートや環境保全の活動をしています」とコメント。
さらに「登山家の素晴らしいところは未知なる領域に踏み込むことを愛してやまないところ」とその魅力を述べると、田部井氏も「頂上に立つのも目的ですが、全員が同じ人数で帰ってくることも大切。帰ってくるとそれがまた次の活力につながるんです」と山登りの魅力を語り合っていた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』は6月28日より角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国公開