ディズニーアニメ『プレーンズ』誕生秘話!最初は“電車”が主人公だった
ディズニー / ピクサーの映画『カーズ』に着想を得たディズニートゥーン・スタジオによる『プレーンズ』シリーズだが、最初は飛行機ではなく、電車が主人公になる予定だったという。
シリーズ第1作『プレーンズ』のクレイ・ホール監督は公開時のインタビューで、後に『プレーンズ』となる企画のきっかけについて「ありとあらゆるマシン類を愛する者同士として、ジョン(・ラセター。トゥーン・スタジオのチーフ・クリエイティヴ・オフィサー)とは事あるごとに熱く語り合っていたのですが、『次はどんな映画を作ろうか?』という話になった時、『蒸気機関車をテーマにした映画はどうか?』と僕が提案したんです」と明かす。
この「トレインズ(仮)」と題された企画は、『カーズ』『プレーンズ』のように乗り物を擬人化したものではなく、人間が主人公の西部劇だったとのこと。これが結局、現在の『プレーンズ』に落ち着いたのは、ジョン・ラセターがある日、「列車もいいけど、飛行機を主人公にすれば、もっといい映画になるんじゃないかな?」と思いついたからだそう。結果的にこのアイデアが採用されることになり、『プレーンズ』は“擬人化された乗り物”という『カーズ』のコンセプトを色濃く引き継ぐ作品となった。
とはいえ、『カーズ』はピクサーが誇る大人気シリーズということで、製作陣へのプレッシャーは大きかった。第2作『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』のボブス・ガナウェイ監督は「『カーズ』からアイデアを引き継いでいるので、どうやってそれを新鮮なものにするか、観客をこれまで見たことがない新しい世界に連れて行くか、というのには頭を悩ませたよ」と告白する。
その一つの答えが、レスキュー隊を題材にした『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』だ。第1作『プレーンズ』はレーシング映画ということで、『カーズ』シリーズとかぶる要素も多かったが、本作ではガラリとジャンルを変え、ディザスタームービー、そしてアドベンチャームービーの側面が強調されている。
ガナウェイ監督が「(レスキュー隊が行う)空中からの消火作業の何が素晴らしいかというと、それは飛行機にしかできないということなんだ。飛行機ならではの世界を舞台にしているということだね」と語る通り、本作は『プレーンズ』シリーズだからこそ成し得た作品。そういう意味では、本作は『プレーンズ』シリーズが『カーズ』からの独立を果たした記念碑的作品に仕上がっているのだ。(編集部・福田麗)
映画『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』は7月19日より全国公開