坂本龍一、中咽頭がんで休養へ コメント全文
音楽家の坂本龍一が中咽頭がん治療のため、活動を休止することが明らかになった。10日、坂本が参加するプロジェクト「commmons(コモンズ)」のオフィシャルサイトなどで正式発表された。
これに伴い、ゲストディレクターを務める札幌国際芸術祭2014の各イベント・コンサートへの出演、および今月30日に予定されていたパークハイアット東京20周年記念コンサートへの出演を見合わせることになった。
坂本もコメントを寄せており、6月末にがんが発覚したことを明かすと、「多くのみなさまに、多大なご迷惑をおかけすることは深く承知していますが、自分の身体あっての仕事ですから、このような苦渋の選択をせざるをえませんでした」と経緯を説明。関係各所に謝罪すると「必ずきちんと治して戻ってまいります。どうかしばらくの間、静かに見守っていただけたら幸甚です」と約束した。
今後の活動の詳細については決定次第、オフィシャルサイトなどで発表するという。(編集部・福田麗)
以下、坂本のコメント全文。(原文ママ)
6月末のこと、わたしには中咽頭癌があることが分かり、
熟慮の末、しばらく治療に専念することにいたしました。
多くのみなさまに、多大なご迷惑をおかけすることは深く承知していますが、
自分の身体あっての仕事ですから、
このような苦渋の選択をせざるをえませんでした。
特に2年あまり精魂傾けて準備してきた札幌国際芸術祭2014はまもなく開催されますが、わたしはその場に立ち会うことができなくなりました。実行委員会会長である札幌市の上田市長、市民のみなさま、事務局関係者、ご参加くださるアーティスト、関係する全てのみなさまに心よりお詫び申し上げます。わたしは会場には参れませんが、全プログラムは最良の形でお届けすることをお約束します。芸術祭をみなさまの手でお育ていただければ幸いに存じます。
さらに7月30日にパーク ハイアット 東京の20周年記念ライブを予定しておりました。このために書き下ろした楽曲も完成し、ホテルでお客様と20周年をお祝いすることを楽しみにしておりました。そのような祝いの時にライブを中止せざるを得ないことは申し訳なく、また残念でなりません。
ホテルご関係者のみなさま、ご来場予定のお客様に陳謝いたします。
他にも、現在抱えている仕事、プロジェクトにかかわる全ての関係者のみなさまに、多大なご迷惑をおかけすることを深くお詫びいたします。
必ずきちんと治して戻ってまいります。
どうかしばらくの間、静かに見守っていただけたら幸甚です。
2014年7月10日
坂本龍一