異色!女性バディが全米でロングヒットしているワケ
凶悪犯罪に挑むタフで男前な女刑事とガーリーで天然気味な女性検視官のコンビを描き、全米では7月からシーズン5がスタートするほど熱烈な支持を得ているドラマ「リゾーリ&アイルズ」の人気の秘密を検証した。
「クローザー」や「女捜査官グレイス ~天使の保護観察中」など、女性が主人公の犯罪捜査ドラマが話題を集めていた2010年夏、アメリカのケーブル局TNTにて放送がスタートした「リゾーリ&アイルズ」。女性バディもの刑事ドラマは、1980年代に一世を風靡(ふうび)した「女刑事キャグニー&レイシー」以降ほぼ皆無に等しかったが、本作はケーブル局ドラマの中でも視聴者数でトップを競う人気を獲得した。
主人公は男勝りで腕っ節の強い女刑事リゾーリ(アンジー・ハーモン)と、天然ボケのお嬢様で優等生の女性検視官アイルズ(サッシャ・アレクサンダー)。「(二人の)違いが緻密に計算されたユーモアとなり効果を発揮し、主人公たちの間には良い化学反応が生まれている」(エンターテインメント・ウィークリー誌)と本国アメリカのメディアで評されたように、リゾーリとアイルズの好対照で絶妙なコンビネーションは、番組スタート当初から絶賛されてきた。
そんな彼女たちを取り囲む家族や職場の同僚も個性的なキャラクターがそろっており、犯罪捜査のスリルとアクションに加え、悲喜こもごもの人間模様やロマンスなども盛りだくさん。「ユーモアとサスペンス、深い洞察、そして適度な血のりを一気にミックスした作品」(ハリウッド・レポーター誌)とは言い得て妙だが、まさにその通りなのだ。
しかし、本作が全米の視聴者に愛され続けている最大の理由は、仕事にプライベートにいつも全力投球で、時に過ちを犯しながらも強い信念を持って行動するヒロインたちの勇敢な姿にあると言えよう。未成年の子供がいる家庭向けに映画やドラマなどの内容を審査するアメリカの非営利団体コモン・センス・メディアは、本作に不適切な表現が多数含まれているとしながらも、「主人公たちは成熟した勤勉な女性のロールモデル」と高く評価。ファンは彼女たちの中に理想の女性像を見いだしているのかもしれない。(文・なかざわひでゆき)
「リゾーリ&アイルズ4」は8月7日(木)スタート(全16話)[第1話無料放送]【WOWOWプライム】