タランティーノの年間No.1映画『オオカミは嘘をつく』11月公開!破滅へ向かう容疑者×被害者の父×刑事
昨年の第18回釜山国際映画祭で上映後のティーチインに飛び入り参加したクエンティン・タランティーノ監督が「今年のナンバーワンの作品だ!」と興奮気味に発言して話題になったイスラエル映画『Big Bad Wolves』の邦題が『オオカミは嘘をつく』に決まり、11月22日より日本公開されることがわかった。
本作が映し出すのは、イスラエルの森の中で起きたある凄惨な少女暴行殺人事件における、容疑者、復讐(ふくしゅう)を企む被害者の父親、型破りな不法捜査に乗り出す粗野な刑事の3人が破滅へ向かうさま。拷問を受け続けているこの気弱で善良そうな容疑者は本当に犯人なのか? 事件の被害者になることは暴力を正当化することになるのだろうか? 巧妙に組み立てられたストーリーによって観る者の「正義」「悪」の定義まで揺るがすスリリングな作品だ。
メガホンを取ったのは、イスラエル出身のアハロン・ケシャレス&ナヴォット・パプシャドという若き2人の監督。テロ、誘拐、常に虐げられる感覚や乱暴な行為等の恐怖と隣接し、攻撃と報復を繰り返し続けている同国において作品のインスピレーションを得た。
また、本作はタランティーノ監督によって2013年ナンバーワン映画のお墨付きを与えられただけでなく、世界的な映画祭で多数の賞に輝き、先月発表されたSF、ファンタジー、ホラージャンル作品を対象にした第40回サターン賞では最優秀インターナショナル作品賞も受賞している。これまで同賞を受賞したのは『パンズ・ラビリンス』『イースタン・プロミス』『ぼくのエリ 200歳の少女』『第9地区』といった映画ファンの心をとらえた作品ばかりで、『オオカミは嘘をつく』のクオリティーの高さを証明しているといえるだろう。(編集部・市川遥)
映画『オオカミは嘘をつく』は11月22日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開