『思い出のマーニー』宣伝コピーを作ったのは直木賞作家・三浦しをんだった
現在公開中のスタジオジブリ最新作『思い出のマーニー』の「あの入江で、 わたしはあなたを待っている。永久に──。」という宣伝コピーを手掛けたのは、直木賞作家の三浦しをんであることがわかった。三浦は2000年に「格闘する者に○」でデビュー。2006年に第135回直木賞を受賞した「まほろ駅前多田便利軒」のほか、「風が強く吹いている」「舟を編む」などが映画化されている売れっ子作家だ。
米林宏昌監督の『思い出のマーニー』は、孤独な少女・杏奈が海辺の村の誰も住んでいない“湿っ地屋敷”で謎の金髪の少女・マーニーと出会い、ひと夏を通じて少しずつ変わっていく姿を描き出した感動作。ジブリの鈴木敏夫プロデューサーが作ったキャッチコピー「あなたのことが大すき。」をより具体的な言葉で補完する三浦のコピーは、ポスターや新聞広告など多岐にわたって使用されている。映画のエンドクレジットに三浦の名前が載っているのはそのためだ。
鈴木プロデューサーによると、映画『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』で原作者の三浦と対談した際に「作家としてはむろんのこと、女性としても大変、魅力的な人」と感じ、『思い出のマーニー』の宣伝を女性に絞ってやりたいとなったときに三浦のことが真っ先に思い浮かんだという。
三浦も「とても好みの映画だったので、ほんの少しですがかかわることができて光栄です!」と快諾。そうして三浦が仕上げたコピーは鈴木プロデューサーいわく「男どもが束になって掛かっても生まれない名コピー」であり、「見事に期待に応えてくれました。彼女には、この場を借りて、お礼を言わせて貰います」と感謝の言葉を惜しまない。
なお、三浦は『思い出のマーニー』のパンフレットにも「『いま』を生きるすべてのひとに」というタイトルで読み応えのある解説文を寄せている。(編集部・市川遥)
映画『思い出のマーニー』は公開中
--------------------------
しをんさんと知り合ったのは、「神去なあなあ」の映画を見て、彼女と対談する機会を得たとき。
作家としてはむろんのこと、女性としても大変、魅力的な人でした。
で、マーニーの宣伝を女性に絞ってやりたいということになったときに、彼女のことが真っ先に目に浮かびました。
女性向きのコピーなど、我々のスタッフでは手に負えない。
おまけに、パンフの解説文を書いてくれることになり、彼女なら、何とかしてくれそうだと思ったのです。
あの入江で、わたしはあなたを待っている。永久に──。これは、男どもが束になって掛かっても生まれない名コピーでした。
見事に期待に応えてくれました。彼女には、この場を借りて、お礼を言わせて貰います。
鈴木 敏夫
--------------------------