大人気深夜ドラマ「孤独のグルメ」の秘密に迫る!“心の声”に隠された松重豊のベテラン技
毎週水曜日にテレビ東京系で放送中の松重豊主演ドラマ「孤独のグルメ Season4」の27日の放送回に、俳優の寺島進が出演することがわかった。本作は、久住昌之作、谷口ジロー画のグルメマンガを松重主演で実写化した深夜ドラマ。放送以来、幅広い年齢層から根強い人気を集めている本作の製作秘話を川村庄子プロデューサーが語った。
寺島進が登場!キャスティングの第一条件は?
前回の放送には、小日向文世と西田尚美が店を切り盛りする夫婦役で登場してファンを驚かせたばかりだが、27日は松重と縁の深い寺島が店主役に。15年以上の付き合いであるという二人だけに、息ぴったりの演技に期待したいところだが、最近どんどん豪華になっているゲストはどのように決まっているのだろう?
川村プロデューサーによると、最初に番組で取り上げるお店を決めてから、店主の方に雰囲気が似ている俳優を話し合ってキャスティングしているのだという。「寺島さんも、店主の方とすごく似ているんです。ロケの最後にいつも必ず記念写真を撮るんですが、ご本人たちも『似ているなあ』っておっしゃっていたんですよ」と話すほど、今回もキャスティングには自信たっぷり。
だが、お店の方に似ていることがゲストの第一条件となると苦労も多い。「取り上げる店が決まってからでないと、キャスティングができないので結構大変です。基本お店に合わせるというスタンスは、どんなに大物のゲストが来るとなっても変えられないんです」という川村プロデューサーの言葉通り、撮影も店が休みの日に合わせないといけないため、ギリギリまで決まらず大変なことも多々あるのだそう。
思わずまねたくなる!五郎さんの心の声に隠された、松重のベテラン技!
本作の魅力の一つとして挙げられるのは、松重が演じる井之頭五郎の心の声。輸入雑貨商を営む五郎が、仕事の合間に飲食店に立ち寄り、「おひとりさま」で食事をする姿を描いているため、食べたときの感想は全て心の声で視聴者に聞こえてくるのだ。肉を頬張り、「うーん、うまい!!」「これだよ、この味」と思わずまねしたくなるような味わい深い五郎のセリフだが、アフレコは意外な方法で行われていた。
通常ドラマのアフレコは、映像を見ながら声を入れるが、本作の場合は、松重が何も見ないでセリフを入れていくそう。「アフレコで入れるモノローグは、撮影時には頭に入れており、松重さんが自分で間をとっています。テストのときは心の声を声に出して話したりして、どのくらい空ければいいかを計算しているようです」と川村プロデューサーも感心しきり。
またSeason 1のときは、時間も場所もなく、ロケバスの中でアフレコをしていたときもあったそう。最近は控え室でアフレコができるようになったといい、臨場感を大事にしたいので、スタジオではなくて、静かな場所であれば控え室くらいがちょうどいいのだという。
うまい店は足で探せ!スタッフたちの努力のたまもの
ツイッターでの反応の多さを評価され、「孤独のグルメSeason2」は日経BP社主催の「ソーシャルテレビ・アワード2013」の日経エンタテインメント!賞を受賞。 川村プロデューサーは「公式のFacebookとツイッターでも、前シーズンあたりから皆さまの反応が一桁増えた感じがします」とシーズンを重ねるごとに手応えを感じているそう。視聴者が思わず食べたくなるようなお店探しにも力が入る。
「原作者との約束で、原作に登場するお店は出さないことにしているんです。例えば人気の焼肉の回は毎シーズン登場するんですが、そのときもオマージュ的なセリフを五郎さんが話すくらい」と川村プロデューサーが話すとおり、スタッフ総出で原作に負けない、雰囲気のある隠れた名店を探す。「だから番組の最後に登場する『ふらっとQUSUMI』で、原作者である久住さんが来て実際にご飯を食べるんです。久住さんも楽しみにしてくださっているんですが、すごく正直な方なので、スタッフも全員ドキドキしています」。
妥協のないキャスティングと、松重の名演技、そしてスタッフたちの日々の努力がドラマを支えている。いまだにまとめサイトや実況サイトが作られているこのドラマが多くの人に愛されているのは、心地いい手作り感と「ファンを喜ばせたい」というスタッフたちの気持ちが伝わってくるからではないだろうか。(編集部・森田真帆)
「孤独のグルメSeason4」はテレビ東京系にて毎週水曜夜11時58分放送中