ボンドガールも務めた名女優浜美枝が湯布院に登場!ゴダール監督からオファーがあったと振り返る
往年の名女優・浜美枝が29日、大分県由布市で開催中の第39回湯布院映画祭「東宝映画特集」シンポジウムに来場、ジャン=リュック・ゴダール監督からオファーを受けたときのことを振り返った。
会場にやってきた浜は「映画祭には、遠くから自分の青春を追憶するような感じでぜひ伺いたいなと思いました。でも、40歳を境に女優という職業は卒業させてもらっているので、現役ではないわたしがシンポジウムに出るのはちゅうちょしました」としながらも、「一期一会ということもありますし、映画好きな方が支えているこの映画祭は以前から感服しておりましたから、出席させてもらうことにしました」とあいさつ。
『007は二度死ぬ』でボンドガールを務めるなど、世界的知名度もあった浜。「実はジャン=リュック・ゴダール氏から映画の出演依頼がありました」と切り出すと、「でもシナリオが何もないんです。相手がゴダールさんですから、どんな映画になるか分からない。東宝を通してせめてどんなストーリーになるか教えてほしいとお願いしたのですが、何もないという。それじゃわたしもフランス語ができないので、ということでお断りしました。やはり映画はシナリオですから」と述懐する一幕も。
さらに本映画祭で上映された『日本一のホラ吹き男』を観賞し、「なんて下手なんだろうとショックでした。あれでよく使ってもらえたなと思う」と笑う浜。「でも、東宝っていい会社なんですよ。特に女優は会社ぐるみで守ってくれたし、礼儀などに厳しかったけど、きちんと育ててくれた」と懐かしそうに語る。さらに『日本一のホラ吹き男』など、クレージー・キャッツ映画を数多く撮った古沢憲吾監督について「正直、ご一緒しているときは才能がある人なのか分からなかった。植木等さんと一緒に、あのはちゃめちゃな演出ってありなの? と首をかしげていましたから。ただ映画として完成すると面白い。監督としてすばらしい才能を持っていることが湯布院で再確認できてよかった」と付け加え、会場を笑いに包んだ。(取材・文:壬生智裕)
第39回湯布院映画祭は8月31日まで由布市の湯布院公民館ほかにて開催中