ジブリ鈴木P「宮崎駿の後継者は庵野秀明」発言の真意に言及
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが11日、押井守総監督がホストを務める『THE NEXT GENERATION パトレイバー/第4章』公開記念トークイベントに出席、先日行われた第27回東京国際映画祭の開催概要発表時において、「宮崎駿が引退したあとは、庵野秀明だろうと」と後継者指名をにおわせたことについて、真意を語った。
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押井総監督がメガホンを取る本作のエピソード6「大怪獣現わる 後編」に出演したことから、この日はゲストとして来場した鈴木。押井総監督が、鈴木を俳優として起用し続ける理由として「世間に顔が売れているわりには、基本的にタダで使えるから」と身もふたもないコメントをすると、会場は大爆笑。この日は気心知れた二人ならではの、ツッコんだ内容のトークとなった。
その流れから「宮崎駿の後継者は庵野秀明」発言の真意に話がおよぶと、鈴木は「東京国際映画祭で庵野の特集上映をやるわけでしょ。そういう場でいろんな人に注目していただくにはそういう言い方がいいかなと思って」と策士の顔をチラリ。
さらに「それともうひとつは、庵野自身が宮さんの弟子だと公言しているということもある。それを客観的に言うとそう(後継者と)なるでしょ」と付け加える鈴木だったが、押井総監督は「それって言葉のあやだよ。世間的に言うと、後継者っていうのはさ、宮さんの座っていた席に座ることなんだから。あの二人の関係はさ、ジジイと孫なんだよ。孫だったら利害もぶつからないだろ。結局、宮さんは庵野がかわいいだけ」と持論を展開。
そこで司会者から「なんで後継者は押井さんじゃないのか?」と指摘された鈴木は、「還暦を過ぎた人が後継者なはずがない! しかも押井さんは、宮崎駿をライバルだと言っているし」と真正面から否定。押井総監督も負けじと「ライバルとは言っていない。敵だ」と返し、会場を笑いに包んだ。
そんな中、鈴木は「(庵野は)『エヴァ』をどう終わらせるんだろうね」とポツリ。「これは僕が勝手に思ったことだけど、あれ、ナウシカが必要だよねと庵野に言っちゃった」とする鈴木のコメントに押井総監督が「企画者としては、庵野が『ナウシカ2』をやるのが一番正しい。ケレンだらけで、ドロドロですさまじいものを作れば終わるから納得するはず。やればいいじゃん」と仰天プランをぶちまける一幕もあった。(取材・文:壬生智裕)
『THE NEXT GENERATION パトレイバー/第4章』は新宿ピカデリーほかにて上映中