庵野秀明、原点は変わらず!学生時代作品の上映に「恥ずかしい」
第27回東京国際映画祭
現在開催中の第27回東京国際映画祭特集上映「庵野秀明の世界」内のプログラム「アマチュア・庵野秀明」が24日夜、TOHOシネマズ日本橋で開催され、庵野秀明が自身の原点を振り返った。
日本が誇る映像作家、庵野秀明にとって初の大型特集企画となる本特集は、これまでのテレビアニメ・劇場公開作品に加え、CM、PVなど約50作品を上映する大型企画となっている。第1夜を迎えたこの日は、『ウルトラマン(2014年オリジナル再現版)』(1980)、『じょうぶなタイヤ! SHADOタイヤ』(1980)など、テレビ東京系の深夜ドラマ「アオイホノオ」でも話題を集めた庵野の学生時代を中心とした自主制作作品が大型スクリーンで上映された。
上映後、スクリーン前に現れた庵野は「恥ずかしくて帰りたい……。帰れないならせめてお酒がほしい。こんな大きなスクリーンで上映する機会がないので、後ろで観ていたのですが、覚悟は決めていたものの恥ずかしくて……」と照れることしきり。さらに自身の作品について、「最新作と比べても、メカ、爆発、女の子と何も変わっていない」とポツリこぼした。
とはいえ、ウルトラマン、仮面ライダー、ガンダム、イデオンなど、庵野が好きな作品への愛情が詰まった作品群に「今の自分が見ても、(当時の自分は)基本をわかっているなという感じがしますね。仮面ライダーはベルト、ウルトラマンはカラータイマー、ガンダムは角と、それだけでそのキャラクターだとわかるのはすごい。キャラクターの強さがある証拠ですね」と感心した様子も見せる。
とにかく爆破シーンが印象的な庵野作品だが、「爆破のときに、ついつい破片は描いちゃいますね。僕は『科学忍者隊ガッチャマン』とか『タイムボカン』とか、タツノコプロの爆発が好きでした。あれは毎回、愛情のある壊れ方をしていたんです。(ボディーが)ちょっとずつへこんで壊れるとか、タイヤがとれるとかね」と振り返る一幕も。
さらに「今回思ったのは、僕は1人だと全然駄目だったなということ。(山賀博之、岡田斗司夫、赤井孝美など)複数人でやりはじめてから、格段に面白さが変わっている。1人でやっても技術的にはうまくなるけども、僕はいろんな人と仕事をした方が面白いものになるなと。それがよかった」としみじみと語っていた。(壬生智裕)
第27回東京国際映画祭特集上映「庵野秀明の世界」は10月30日までTOHOシネマズ日本橋にて上映中