マリオの生みの親・宮本茂、初アニメーションを手掛けたきっかけや、実写版マリオへの思いを語る!
第27回東京国際映画祭
5日、現在開催中の第27回東京国際映画祭で、短編アニメーション作品『ピクミン ショートムービー』が世界初上映され、ゲームプロデューサーで、数々の伝説的なゲームを世に送り出してきた任天堂取締役の宮本茂氏と、ドワンゴ代表取締役でスタジオジブリのプロデューサー見習いである川上量生氏がディープなトークを展開した。
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今回上映された作品は、AIアクションゲーム「ピクミン」を題材にしたショートムービー。キャプテン・オリマーが大好物のジュースを作る「真夜中のジュース」、ピクミンが不思議な宝物と出会う「ビンの中のお宝」、工事現場で繰り広げられる大スペクタクル「たいへんな一日」という3本を手掛けた宮本氏は「ゲームよりも入り込んだかもしれません。この作品を作らなければゲーム2本は作れましたね」と本気とも冗談ともとれないトークで初のアニメーション作品制作への苦労を語った。
またアニメーション制作の動機を聞かれた宮本氏は「ゲームの中でピクミンの小さな動きをいっぱい作ったけれど、小さくてゲームでは見てもらえないので、アニメを作ろうかと思ったんです」と語ると「中学生のころ4コママンガを描いていて、何か映像化するならピクミンを4コマで作るのがいいのかもという思いはあったんです」と以前から構想があったことを明かす。
宮本氏自らが絵コンテを描いたというが、その際に使用したのが、任天堂で開発された「うごくメモ帳」だという。「これはアニメ制作のツールになりますよ」という宮本氏は「中学生の絵コンテが、ハリウッドで100億円になるなんて面白い時代が来るかもしれません」と新時代のアニメ制作に思いを馳せると「ピクミンの絵コンテも募集したら面白いね」とノリノリだった。
その他、1993年に公開され、実写版のマリオとして話題を呼んだ映画『スーパーマリオ/魔界帝国の女神』について「僕は『世界観を壊すな』とは言わない。作家性の持った違う解釈ができる作品は面白いです」と持論を展開したり、川上氏が現在、宮崎吾朗監督と制作に携わっているNHKアニメ「山賊の娘ローニャ」の裏話など、興味深い話に国内海外を問わず訪れたファンは聞き入っていた。
東京国際映画祭は10月31日まで、メイン会場となる六本木ヒルズのほか、TOHOシネマズ日本橋や歌舞伎座にて開催中