『麦の穂をゆらす風』名匠ケン・ローチが再び描く激動のアイルランド近代史!公開日決定&映像公開
1920年代のアイルランドを舞台に内戦によって引き裂かれた兄弟の悲劇を描いた『麦の穂をゆらす風』の名匠ケン・ローチ監督が、再び激動のアイルランド近代史をテーマにした新作『ジミー、野を駆ける伝説』が2015年1月17日より日本公開される。庶民が理不尽な抑圧を受けていた時代に自由で喜びに満ちた人生の素晴らしさを説き、裁判も開かれずに国外追放の身となった実在したアイルランド人ジミー・グラルトンの姿と、大地に生い茂る豊かな緑の美しさをみずみずしく捉えた予告編が公開された。
物語は1932年、内戦後のアイルランドにアメリカからジミー(バリー・ウォード)が10年ぶりに帰ってきたところからスタート。ジミーは年老いた母親との平穏な生活を望んでいたが、村の若者たちの訴えに突き動かされ、閉鎖された「ホール(集会所)」の再開を決意する。かつてジミー自身が建設したそのホールは、地元の人々が芸術や音楽を学び、歌とダンスに熱中したかけがえのない場所だった。しかし、ジミーのその決断が、ホールの再開を快く思わない勢力とのいさかいを招いてしまい……。
ローチ監督は、弱者救済の政治闘争に身を投じる傍ら、アートや娯楽をこよなく愛したジミーの人間性に感銘を受け、史実にインスパイアされた“名もなき英雄”の物語の映画化に挑戦。彼がスクリーンによみがえらせようとしたのはジミーの私利なき高潔な精神にほかならず、かくして近年のローチ作品において最も素朴にしてみずみずしい感動を呼び起こす秀作に仕上がっている。(編集部・市川遥)
映画『ジミー、野を駆ける伝説』は2015年1月17日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開