「24」だけじゃない!キーファー・サザーランド、悪役としての魅力
「24 -TWENTY FOUR-」の主人公ジャック・バウアー役で知られるキーファー・サザーランドの悪役も話題となった映画『ポンペイ』のブルーレイ&DVDが発売された。そこで、サザーランドの悪役としての魅力に迫ってみたい。
古代ローマ帝国で起こった史上空前の火山噴火を背景に、奴隷だったグラディエーターと豪商の令嬢との恋をドラマチックに描いた本作。身分違いのロマンスの行方や噴火のスペクタクル、剣闘のハードなアクションなど見どころは多いが、権力をかさに着て主人公カップルを引き裂こうとする、腹黒い元老院議員にふんしたサザーランドの不敵な悪役ぶりもその一つだ。
「24 -TWENTY FOUR-」以後のファンには意外かもしれないが、サザーランドは以前から悪役を得意としている。キャリア初期には『スタンド・バイ・ミー』でいじめっ子の不良少年、『ロストボーイ』で凶悪なヴァンパイアを演じ一躍スターとなり、その後も『レイジング・ブレット 復讐の銃弾』や『評決のとき』等で憎々しい悪役に成り切っている。情けもなく、同情の余地もない『ポンペイ』の悪役は、ある意味その極みといえる。
ともあれ、劇中のサザーランドは、実に生き生きしているように見える。「貴様のつまらん町に投資するのはやめた!」等と嫌味たっぷりの悪役らしいセリフが数多くあるが、ブルーレイに収録された特典映像の中で、サザーランドは「セリフが秀逸だ。普段口にしないような文句ばかりで、楽しめたよ」と語っている。サザーランド自身も、久々の悪役を喜々として演じているようだ。
なお、ブルーレイには、サザーランドをはじめとする役者、ポール・W・S・アンダーソン監督へのインタビューに加え、アクションやコスチューム、武器に関するメイキングといった1時間30分に及ぶ特典映像が収録されている。ちなみにアンダーソン監督は、このメイキングで人間的に信頼できる役者を集めたと語っている。すなわち、実際のサザーランドは“嫌なヤツ”ではないので、ファンの方はご安心を。(文・猿園楽)
映画『ポンペイ』ブルーレイ(税抜き:4,800円)&DVD(税抜き:3,800円)は本日発売、デジタル配信中