細田守監督3年ぶり新作は来年7月公開!バケモノと少年の物語『バケモノの子』
11日、『おおかみこどもの雨と雪』の細田守監督による3年ぶりの新作のタイトルが『バケモノの子』に決定し、2015年7月11日に公開されることがわかった。少年・九太と“バケモノ”の熊徹が主人公の冒険活劇で、細田監督は原作・脚本も手掛けている。
舞台となるのは、人間界のほか、動物のようなバケモノが住む「渋天街」が存在する世界。人間界「渋谷」から「渋天街」に迷い込んだ一人ぼっちの少年が、強いけれど身勝手なために孤独だったクマのようなバケモノの剣士・熊徹と出会うことで物語が展開する。少年は熊徹の弟子になり、九太という名前を与えられ、彼と共に修行や冒険の日々を送ることになる。
前作『おおかみこどもの雨と雪』で、おおかみ男と結婚した人間の女性が母親として成長する姿や、二人の間に生まれた子供たちが自分らしい生き方を模索する姿を通して、新しい家族観を提示した細田監督。監督は「現代社会の変容とともに、家族観も変化するのは必然です。旧来の伝統的な家族観はもはや参考にならず、わたしたちは、家族の新しいあり方を模索しなければならない瀬戸際に立たされています」と今作でも家族をテーマにしたと語る。
中でもメインとなるのは「父と子」で、「子供の成長」がキーワードになる。細田監督は作品を通して大人たちが子供たちにメッセージを与えることの重要性に触れると、「若者たちには、『自分が何者であるか』という彼らの時期の切実な問題に、寄り添い励ましてあげられるように」と本作に込めた思いを明かした。
声優のキャスティングはこれから始めるとのこと。今回登場するキャラクターは“おじさん”が多いことから、これまでのようにオーディション形式では難しいかもしれないといい、「まだ考え中なんですよね。いい人にお願いできるといいな」と述べていた。
同作はフランスの大手映画会社GAUMONTからの熱烈なオファーを受け、すでに海外展開することも決定。GAUMONTはアジアを除く海外営業を担当する。(編集部・井本早紀)
映画『バケモノの子』は2015年7月11日より全国公開