アンジー監督作まさかの0ノミネート - 第72回ゴールデン・グローブ賞
下馬評の高かったアンジェリーナ・ジョリー監督第2作『アンブロークン(原題) / Unbroken』が現地時間11日の第72回ゴールデン・グローブ賞ノミネーション発表でまさかの0ノミネートとなり、海外で大きく報じられている。ゴールデン・グローブ賞はハリウッド外国人映画記者協会の投票により選定される権威ある映画賞で、アカデミー賞の行方を占う前哨戦としても注目されている。
最多7部門ノミネートの映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』場面写真
『アンブロークン(原題)』は、第2次世界大戦中に日本軍の捕虜となったルイス・ザンペリーニ氏の半生を描いたノンフィクションが原作で、その題材から日本でも話題になっているドラマ作品。ルイス(ジャック・オコンネル)を目の敵にする残忍な看守役は、これがハリウッドデビューとなるミュージシャンの雅 -MIYAVI-が務めている。脚本は『ノーカントリー』のジョエル&イーサン・コーエン兄弟など。
作品賞(ドラマ)をはじめ、監督賞、脚本賞、男優賞(ドラマ)、助演男優賞などでのノミネートが有力視されていたが、結果は0ノミネート。ハリウッド外国人映画記者協会から総スカンを食らう形になった。
そのほか期待されていながらゴールデン・グローブ賞ノミネートを逃したのは、『アメリカン・スナイパー』(クリント・イーストウッド監督)のブラッドリー・クーパー、『フォックスキャッチャー』(ベネット・ミラー監督)のチャニング・テイタムなど。クリストファー・ノーラン監督の下、マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイら実力派が集った『インターステラー』も、音楽賞(ハンス・ジマー)の1ノミネートにとどまった。
反対にサプライズノミネートとなったのは、ブロードウェイミュージカルを映画化した『ANNIE/アニー』のクヮヴェンジャネ・ウォレス(コメディー/ミュージカル女優賞)や、ゲイとレズビアンの活動家グループと炭鉱労働者たちの友情を描いたイギリス映画『パレードへようこそ』(コメディー/ミュージカル作品賞)など。『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソンも、アンジーをはじめ、クリント・イーストウッド、ベネット・ミラー、クリストファー・ノーランらを抑えて、自身初となるゴールデン・グローブ賞監督賞ノミネートを果たした。
なお、最多ノミネートとなったのは、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で7部門。授賞式は来年1月11日(現地時間)にビバリー・ヒルトン・ホテルで開催される。(編集部・市川遥)