妻夫木主演『バンクーバーの朝日』、チームワークの強化は飲み会で!?
戦前、カナダ・バンクーバーに実在した日系カナダ移民の野球チームの物語を描いた『バンクーバーの朝日』。キャプテンでショートのレジーを演じた主演の妻夫木聡、セカンドのケイを演じた勝地涼、サードのフランクを演じた池松壮亮が、抜群のチームワークがどのように形成されたのか明かした。
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本作で「バンクーバー朝日」の面々を演じるのは、勝地と池松をはじめ、野球経験者ばかり。そんな中、ほぼ初心者だった妻夫木について、「最初は……不安でした(笑)」(勝地)「映画『ぼくたちの家族』の撮影時にキャッチボールしたときはまだド素人で……」(池松)と本人を目の前にして本音を漏らす二人。だが、その後の妻夫木の成長には驚かされたのだとか。そんな妻夫木の強い希望もあり、チームのメンバー全員参加で実現したのが1泊2日の合宿。野球の練習はもちろんのこと、夜には飲み会も開催され、チームワークが強化されたのだという。
「この合宿で誰がどんなキャラなのかを探ったり、学校で新しいクラスが始まったときみたいな時間が過ごせましたね」と語るのは、石井裕也監督からムードメーカー役を任命された勝地。妻夫木も「率先して酔っぱらって盛り上げるやつがいたり、ちょっとやりすぎちゃったかな(笑)」と楽しそうに振り返る。クランクイン後も、「撮影の合間で手の空いているメンバーでお店を探して、撮影が終わったら全員にお店を発表するんです。少しでも一緒にいようとする空気が楽しかったです」と池松が撮影中の思い出を明かすと、積雪で撮影が中止になった日に急きょ、石井監督と妻夫木、勝地を中心に集まれるメンバーで飲み会を開催した話など次々にエピソードが明かされ、合宿を経て一丸となったチームの結束力が芝居を超えて存在していたことがうかがえる。
現場ではチーム皆、役名で呼び合っていたという彼ら、インタビュー中に妻夫木の役名レジーをど忘れし、「カタカナの名前、もう忘れちゃった!」と苦笑いする勝地に、「おまえ、まさか俺の名前も忘れたのかよー!」とすかさず突っ込む妻夫木。それに対し「そろそろケイじゃなくて勝地って呼んでくださいよー」と返す彼らの連携プレーからは、劇中同様、チームメートとして築き上げられた絆が感じられた。(取材・文:須永貴子)
映画『バンクーバーの朝日』は12月20日より全国公開