ヒュー・グラントが「オスカーを受賞し大学で教鞭を取る」という役に挑戦!
映画『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズのヒュー・グラントが、新作『ザ・リライト(原題) / The Rewrite』について語った。
本作は、かつてオスカーを受賞した脚本家キース(ヒュー・グラント)は、今やすっかり落ちぶれてしまい、エージェントに勧められニューヨークの静かな街ビンガムトン大学で客員教授として教壇に立つが、初めは乗り気ではなかった彼も、いつしか生徒やシングルマザーとの出会いを通して価値観を変えていくというドラマ。マリサ・トメイ、アリソン・ジャネイ、J・K・シモンズなどが共演。映画『噂のモーガン夫妻』のマーク・ローレンスがメガホンを取り、ヒューとは今作で4度目のタッグを組んでいる。
ヒューの作品群は今作も含め、ライトコメディーが多いが、「実は他のジャンルにも挑戦してみたが、大惨事だった。だから、ある意味ライトコメディーに僕はとどまっている。でも、今作では感情移入したシーンも結構あるよ」と答えた。また、この役のために実際に大学を訪れたり、教授から学んだりしたのかとの質問には「今作のために大学に行ったり、教授から学んだりはしていない。でも、もしできたら、一度、大学の演劇のマスタークラスで、きれいな女子生徒達を相手に演劇の話をして、生徒たちを支配している喜びを感じながら、生徒を搾取するのも良いかもね」とジョークで答えた。
今作で描かれている、クリエイティブ面での自由と支配について、個人的に共感が持てたのか。「実を言うと、僕自身はそれほどクリエイティブな面で水準を掲げてはいない。単に脚本を読んで笑えたか、読んでいるときに飽きなかったかだけで、もし笑えて飽きなかったら、そこで初めて自分が演じられるかを問いただす。でも一つだけ誇りなのは、映画『フォー・ウェディング』以降は、出演料だけで参加した映画はないことだ」と明かした。
今作でキースが学んだことについて「キースは、お金やオスカー以外に自分を評価すべきものがあることを学んだ。彼は生徒に必要とされ、大学からも価値を見いだされ、それは少し感動的なものだ。僕自身も近年政治に興味を持ったり、それほど映画作品に出演していなくても、家族は今でも僕のことを大切に思ってくれている」と語るなど、良い環境で仕事ができているようだ。
映画は、脚本家キースが、自分の価値を再発見していく過程が興味深い作品だ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)