『パイレーツ』第5弾、キャプテン・バルボッサの相棒猿ジャック不在?
大人気シリーズ『パイレーツ・オブ・カリビアン』の最新作、『パイレーツ・オブ・カリビアン:デッド・メン・テル・ノー・テールズ(原題) / Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales』を製作中のディズニーに、動物の権利運動家カウリ・バグノール氏が撮影で本物の猿を使用しないよう、署名収集サイトChange.orgで訴えた。
問題となっているのは、同シリーズでジェフリー・ラッシュ演じるキャプテン・バルボッサの相棒猿ジャック役を務めてきた猿たちの出演である。猿保護活動団体Jungle Friends Primate Sanctuaryの創設者であるバグノール氏は、「エンターテインメント産業のために小道具として生きていかなければならない猿たちのことを心配しています。もし、ディズニーが動物に優しい、責任ある会社であるということを示したいのであれば、『パイレーツ・オブ・カリビアン』で本物の猿を使うべきではない」と主張し、『猿の惑星:新世紀(ライジング)』を例に挙げ、本物の猿の代わりに、CGの猿を登場させるのはどうかという提案もした。
オーストラリアのニュースサイトNews.com.auによると、撮影が行われているオーストラリアのクイーンズランド州では、猿のジャックの品種であるシロガオオマキザルは、どう猛なアリとして知られるクレイジーアントや毒を持つガラガラヘビと同じ指定有害動物のカテゴリーに属している。そのため、猿をオーストラリアに輸入するためには、厳しいバイオセキュリティーと検疫法を通らなければならない。オーストラリア農務省の広報官によれば、2匹の猿を輸入する申請書類を映画製作関係者から昨年12月に受け取り、現在その猿たちがオーストラリアの法律を満たしているか慎重に審議中であり、到着した猿たちは30日間にわたる検疫を受けるとのこと。
今回の署名運動や、ヒューマン・ソサエティー・インターナショナル・オーストラリアをはじめとする数々の動物環境保護団体が映画のためにカリフォルニアから猿を輸入することを拒否するよう、オーストラリア連邦政府の環境大臣に求めているということから、キャプテン・バルボッサの相棒猿ジャックが一体どうなるのか、製作陣の悩みの種となりそうだ。(編集部・石神恵美子)