ヴィゴ・モーテンセンが消えた娘を捜し求める父親に…幻想的なロードムービー6月日本公開
第67回カンヌ国際映画祭批評家連盟賞に輝いたヴィゴ・モーテンセン主演の幻想的なロードムービー『JAUJA』の邦題が『約束の地』に決まり、6月13日より日本公開されることがわかった。
過去4作で未開の大自然の真っただ中にカメラを持ち込み、アーティスティックな作風を遺憾なく発揮してきたアルゼンチンの鬼才リサンドロ・アロンソ監督の才能にヴィゴがほれ込んで実現した今回のコラボレーション。少年時代を過ごしたアルゼンチンを「第二の故郷」と表現するヴィゴは、主演のみならず製作と音楽も兼任し、「これまでに関わった仕事の中で、最も満足のいく経験の一つになった」と語るほどの自信作を完成させた。
そんな本作は、1882年のパタゴニアを舞台に、アルゼンチン政府軍による先住民の掃討作戦に参加しているデンマーク人エンジニア、ディネセン大尉(ヴィゴ)の美しき一人娘インゲボルグが、海辺の野営地からこつぜんと姿を消すことから始まる物語。娘を愛してやまないディネセンは必死に捜索するが、思わぬ障害や険しい地形に行く手を阻まれてしまう。やがて馬を失って広大な荒野で孤立したディネセンが1匹の犬に導かれるようにして摩訶(まか)不思議な世界にさまよい込んでいくさまが、独創的なビジュアルで描かれる。
ロングショットの長回しを多用し、鮮烈な色彩美と豊かな奥行きが際立つ映像世界を作り上げたのは、『ル・アーヴルの靴みがき』『浮き雲』といったアキ・カウリスマキ監督作品を手掛けてきたフィンランド人撮影監督ティモ・サルミネンだ。国境を越えて集った才能のコラボに期待したい。(編集部・市川遥)
映画『約束の地』は6月13日よりユーロスペースほか全国順次公開