大ヒットドラマ「Empire 成功の代償」 タイトルをめぐって訴訟
高視聴率で第1シーズンを終えた大ヒットドラマ「Empire 成功の代償」が、タイトルにもなっている架空のレコード会社名をめぐる訴訟に巻き込まれていることを、The Hollywood Reporterが明らかにした。
同ドラマは映画『大統領の執事の涙』のリー・ダニエルズ監督と脚本を担当したダニー・ストロング製作のドラマで、シェイクスピアの「リア王」とジェームズ・ゴールドマン原作の「冬のライオン」をモチーフに、ヒップホップ・レーベルのオーナーと家族の愛憎劇を描いた作品。ヒップホップ界の帝王ルシウス・ライオン(テレンス・ハワード)が突然の余命宣告を受け、大手レコード会社“エンパイア社”を3人の息子のうちの1人だけに渡す決意をするというストーリーになっている。
今回訴訟を起こしたのはエンパイア・ディストリビューションというカリフォルニアのレコード・レーベル。このドラマのせいで自分たちの会社も、ルシウスのように友達を平気で殺す、ゲイ嫌いの麻薬の売人が運営していると思われるようになったと主張している。
エンパイア・ディストリビューションは、“エンパイア”の商標を無断で使用したとして、FOXに対し800万ドル(約9億6,000万円)の損害賠償を要求。ただし、同レーベルの契約アーティストをドラマにレギュラー出演させれば500万ドル(約6億円)に下げてもいいと言っているらしい。もう一つの選択肢として、“エンパイア”という名前を使用しないことも挙げているという。(1ドル120円計算)
FOX側は、同レーベルをGoogleで検索しても公式サイトは7ページ目まで出てこない名もない会社であると反論。また、“エンパイア”という名はエンターテインメント界では一般的であるため、ドラマのタイトル名に使い、ドラマ内の会社名を“エンパイア社”にする権利がFOXにはあるとし、訴訟の棄却を求めている。(澤田理沙)