根津甚八、11年ぶりに銀幕に復帰!俳優引退宣言から5年…決意明かす<コメント全文>
5年前書籍「根津甚八」の中で俳優引退を表明した根津甚八(67)が、映画『GONIN サーガ』で一度限りの銀幕復帰を果たしていることがわかった。久しぶりの撮影に根津は「この仕事が心底好きなんだとあらためて感じた」と語っている。根津が映画に出演するのは『るにん』(2004)以来、約11年ぶり。
前作『GONIN』(1995)に続き、同作でメガホンを取る石井隆監督は、脚本を根津の役ありきで書いていたといい、オファーが「駄目だったらこの物語は僕の中で葬ろう」と考えていたという。根津の自宅まで直接出向いて口説いたという監督の熱意に、根津は出演を快諾。石井監督は撮影を振り返り、「“根津甚八の今”を撮るのが恩返しと思って現場で叫んでいた」と明かしている。
本作で根津は、前作に引き続き汚職で警察をクビになった元刑事・氷頭役で出演。前作のラストでビートたけし演じる京谷の凶弾に倒れた氷頭だが、19年後も植物状態で生きていたことが判明し、物語の鍵を握る“5人”の一人として登場する。さらに佐藤浩市、鶴見辰吾も前作と同じ役で出演するとのこと。(編集部・井本早紀)
<根津甚八コメント全文>
自分自身が志すような演技者であることが、困難になったため、引退を決めたが、今回、石井監督自ら、自宅に来て丁寧に「どうしても手伝ってほしい、根津さんでなければ……」という殺し文句と「できるかできないか脚本を読んで決めてほしい」という熱心な説得で、本をじっくり読んで、これなら、今の自分にできるという気持ちが湧いてきた。
今までの石井監督へ感謝の気持ちもあり、素直な気持ちで、今一度、自分自身を試してみようと思った!
撮影が始まってからは、久しぶりの撮影現場の空気に気持ちが高揚して、自分はこの仕事が心底好きなんだとあらためて感じた。自分のための、セット作りも大変だったと思うのに、無理のないようにと細やかな心遣いをしていただいた。心からの、お礼を言いたい。
全ての撮影が終わった後、若い役者達が車まで追い掛けてきてくれた。皆と握手をして、車が見えなくなるまでずっと手を振って見送ってくれたことが忘れられない。そして、完成された作品を見て、素晴らしい役者達に恵まれた映画になったと心から、思えた。
最後に……石井監督でなければ、この仕事は受けなかった。自分を理解してくれ、役者としての自分を最大限に生かしてくれると無条件で信頼できる人。
天が再び機会を与えてくれるものなら、仕事を続けたかった思いももちろんある。でも、監督や共演者を始め、スタッフ全員の支えがあって、やり遂げたことで、未練を捨てて、終止符を打てたと思うし、そう思える機会を与えてくれた方々に深く感謝している。
映画『GONIN サーガ』は9月26日よりTOHOシネマズ新宿ほかにて全国公開