『釣りバカ』朝原監督、佐藤浩市の後ろ姿は三國連太郎さんにそっくり
俳優の佐藤浩市が13日、都内で行われた『愛を積むひと』完成披露試写会に来場、父で俳優の三國連太郎さんについて語った。この日は他に樋口可南子、北川景子、野村周平、杉咲花、吉田羊、柄本明、朝原雄三監督も来場した。
エドワード・ムーニー・Jr.の小説「石を積む人」を基に、北海道美瑛町に集う人々の姿を優しく描き出した本作。映画『釣りバカ日誌』シリーズで、佐藤の父・三國さんと組んできた朝原監督は、「佐藤さんはスタッフ全員の名前と顔を覚えて、座長としての心配りがあった。逆にお父さまは自分の芝居のことしか考えていなくて本当に迷惑でしたが」と冗談めかしながらも、「撮影していると、後ろ姿とか、三國さんとそっくりだなと思う瞬間が何度もあった。2代目三國連太郎を襲名してもいいんじゃないかと陰で言っていました」とコメント。その言葉に、佐藤は「勘弁してください」と苦笑い。
手紙がテーマとなる本作にちなみ、「印象に残っている手紙」について聞かれた佐藤は「僕が30代半ばくらいに父から『生かされてあればこそ』と一筆書いた手紙をもらって。何年かしてからその重みをジワジワと感じた。そういう思いでこういう仕事を続けているんじゃないかと思います」としみじみ。
続けて樋口が「二十数年前。五社英雄監督からいただいた手紙には『大きな女優になってください』というフレーズと『次回はほれすぎないようにかみつきたい』と書かれていて。これは女優に対しての殺し文句だなと思った」という思い出話を披露。さらに「今日は母が会場に来てくれているんです」と切り出した北川が、「10代の上京して間もなくのころ。仕事もうまくいっていなく、迷惑しか掛けていなかったのに、母から突然、『若くして進むべき道を見つけて、それに向かって頑張っているあなたを誇りに思います』という手紙をもらった。その後も学校や仕事でうまくいかないときに読み返しています」とコメントするなど、感動的なエピソードが続き、しみじみとした雰囲気に包まれた会場内。
そんな中、柄本は「20年くらい前。家に帰ったらテーブルに手紙が置いてあって。妻から『別れてください』と。それから謝って謝って。それでなんとか夫婦を40年ばかり続けております」と締めくくり、会場を笑いに包んだ。(取材・文:壬生智裕)
映画『愛を積むひと』は6月20日より全国公開