名優クリストファー・リーさん死去 93歳『ロード・オブ・ザ・リング』サルマンなど
映画『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』シリーズでサルマンを、『スター・ウォーズ』新3部作でドゥークー伯爵を演じたイギリス人俳優クリストファー・リーさんが亡くなった。93歳だった。
報じた The Guardian によるとクリストファーさんは、呼吸困難と心不全のためロンドンのウェストミンスター病院に入院し、6月7日(現地時間)の朝に息を引き取ったという。結婚して54年になるクリストファーさんの妻が、親族にその死を知らせる時間を取るため発表が遅れたとされている。
ホラー作品や、悪役での映画出演が多かったクリストファーさんは『吸血鬼ドラキュラ』『凶人ドラキュラ』といった作品を通じて、俳優人生で何度もドラキュラ伯爵を演じた。 The Hollywood Reporter によると、ほかにも、ルシファー、ラスプーチン、フー・マンチューなどを演じた彼は、ほかの俳優にはできない悪役として、人々の記憶に残ることを目標にしたと1977年発表の自叙伝に書いているという。これまで250本以上の映画やテレビに出演しており、2009年にはイギリス王室からサーの称号が与えられた。
いとこだった『007』シリーズの原作者イアン・フレミングさんは、映画『007/ドクター・ノオ』の悪役ドクター・ノオをクリストファーさんに演じてほしいと希望していたが、実現しなかったという。しかしその後、『007/黄金銃を持つ男』で一流の殺し屋スカラマンガを演じることになり、イアンさんの希望もかなったようだ。
イギリスの映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)は、ツイッターで「サー・クリストファー・リーが亡くなったという悲しいニュースを聞きました。2011年に彼は映画俳優としてのキャリアを表彰され、BAFTAのアカデミー友愛賞を受賞しています」とクリストファーさんを追悼している。(澤田理沙)