高倉健さん主演作など東映ジャンル映画36本を一挙上映!
1950年代後半から1960年代にかけて、東映が大泉の撮影所で製作したジャンル映画36本が、7月12日よりラピュタ阿佐ヶ谷にて上映される。
東西に二つのスタジオを保有する東映は、京都撮影所で多くの時代劇を生み出す一方、東京撮影所では主に現代劇を製作。ラピュタ阿佐ヶ谷では「OIZUMI 東映現代劇の潮流」と銘打ち、アクション、サスペンス、コメディー、ロマンス、歌謡映画、戦争映画など、多岐にわたる作品群の中からえりすぐりの36本を上映する。
注目作は、本特集のためにニュープリントを製作した2作品。昭和30年に起きた大阪北浜銀行ギャング事件をベースに橋本忍が脚本を手掛け、三國連太郎さんが冷酷な連続射殺魔を熱演した犯罪ドラマ『七つの弾丸』(1959)、そして、貧しい農家に生まれ、かつて娼婦に身を落とした過去を持つ家政婦(小川真由美)が勤め先のブルジョワ一家に翻弄(ほんろう)され、復讐(ふくしゅう)するドロ沼の愛憎劇『悪女』(1964)。猟奇的殺人事件の真相を追う捜査一課の刑事たちの活躍を描く東映の名物シリーズ『警視庁物語』からは、第9作『顔のない女』(1959)、第22作『全国縦断捜査』(1963)をピックアップ。
そのほか、高倉健さんが『昭和侠客伝』シリーズでブレイクする前の主演作『殴り込み艦隊』(1960)、『二・二六事件 脱出』(1962)、『いれずみ突撃隊』(1964)、『東京アンタッチャブル 脱走』(1963)など、人気スターの作品も勢ぞろい。『ギャング対ギャング』(1962)、『誇り高き挑戦』(1962)、『南太平洋波高し』(1962)、『暗黒街の顔役 十一人のギャング』(1963)、『ギャング対Gメン 集団金庫破り』(1963)など鶴田浩二さん主演作も多数。中原ひとみ、佐久間良子らが出演する寝台列車を舞台にした群像劇『大いなる驀進』(1960)、水木襄さん&佐久間良子主演の純愛青春映画『故郷は緑なりき』(1961)など当時、東映のニューフェイスとして活躍した女優たちのみずみずしい演技を堪能できる秀作もそろう。(編集部・石井百合子)
特集上映「OIZUMI 東映現代劇の潮流」は7月12日から9月12日までラピュタ阿佐ヶ谷にて開催