田中要次、『HERO』マスターのスピンオフドラマを熱望!
映画『HERO』インタビュー
2001年放映の「HERO」シーズン1で、初めてこの俳優のことを知った人も多いかもしれない。「あるよ」でおなじみのバーのマスターで、シリーズを特別な場所から見守る守護神的キャラクターを演じた田中要次が、秘かな夢を語った。
当時、鈴木雅之監督が手掛けた「世にも奇妙な物語」の一編や単発ドラマなどへの出演はあったものの、映画が主戦場だった田中にとって、「HERO」は初の連続ドラマ・レギュラーだった。「1話のエンディングで、木村(拓哉)くんと(松)たか子ちゃんの間に挟まって、ストップモーションで終わったとき『え? この作品どうなるの?』と思いましたね。スター二人に挟まれているわけですから。あのとき、僕にはお二人が、お兄さん、お姉さんに見えました。一度昼飯を食べに一緒に外に出たときは、先輩に連れてってもらっている気分でした(笑)」。
今年52歳になる田中は、言うまでもなく木村や松よりも年上だ。「今回の映画では、わりとマスターの表情が豊かになってきたなと。監督の指示なんですけど。声量はこれまで通りですが、目力は進化しましたね。あまり、人の顔を直視しないタイプと思っていたんですけど、実は『あるよ』と言いたいのかな、この人(笑)」。
当然自身のことは決して語らぬマスターだけに、いろいろと妄想をふくらましているとか。「僕としては『事件を起こしたこと、あるよ』くらい言いたいんですけどね。そういう過去があってもいいんじゃないかと。シーズン1のとき、鍋島次席(児玉清)がバーにいらっしゃった回があって。あの人がマスターのことを知っているということは、久利生と同じく、あの人の世話になったことがあると思ったんです。何か事件を起こして、助けてもらったんじゃないか。『君は、料理の腕があるんだから、お店でもやったらどうだ』みたいなこと言われて、あの店があるんじゃないかと。マスターの過去、暴かれてほしいなあ」。
夢(?)はさらに広がる。「何か、いざこざに巻き込まれて、人を殺めてしまったとか。守るつもりなのに、やっちゃったとか。昔、ボクサーだったとか……。全部、僕の作り話ですけど(笑)。でも、マスターはいろいろな秘密がありそうですね。実は、『アベンジャーズ』のメンバーだったとか(笑)。あのヒーローたちが『こういう武器、ない?』って聞くと、『あるよ』と答える(笑)」。いつの日か、スピンオフドラマを!(取材・文:相田冬二)
映画『HERO』は7月18日より全国公開