西島秀俊、ビートたけしと2度目の共演「俳優人生の財産になった」
ビートたけしと西島秀俊が2016年に公開される映画『女が眠る時』で、『劇場版 MOZU』(11月7日公開)に続き、2度目の共演を果たすことが明らかになった。11日、都内で行われた同作の製作発表記者会見で発表された。たけし(北野武)の監督作『Dolls ドールズ』にも出演し、たけしを敬愛していることで知られる西島は、「今後の俳優人生の財産になりました」と喜びを語った。
本作は、『メイド・イン・マンハッタン』などで知られる香港出身のウェイン・ワン監督が初めてオール日本人キャストでメガホンを取り、女への執着が狂気へと変わる男の姿を、背徳的で官能的な映像美で描くミステリー。海辺のリゾートホテルを訪れた作家・健二(西島)は、そこで出会った初老男性・佐原(たけし)と美少女・美樹(忽那汐里)のカップルに魅了され、二人をのぞき見するように。やがて健二の行為は常軌を逸し、予測し得ない衝撃の結末へ突き進む。会見にはたけしと西島のほか、ワン監督、共演の忽那、小山田サユリも出席した。
『血と骨』以来、実に12年ぶりに自作以外で映画主演を務めるたけしは、「今回の映画は、自分のキャリアの中では久々に緊張して、手探りの状態が続いたんですが、やってみたら役者としても監督してもいい勉強になりました」と手応えを感じている様子。しかし、事務所社長の「ちょっと出てくれ」という言葉に応じて出演を決めたはずが、「台本をもらったら自分の名前が一番最初にあった」といい、「これはおかしい。西島くんが主役って聞いていたのに」と驚きがあったことも明かした。
また、ワン監督の演出については「(自分と)似ているけど、俺は適当、監督は真面目。ソープ嬢とキレイな女性との違い」とたけし流に称賛するも、「現場では、『OK! 最高』と言ったのに『もう1回』と言うから、あまり信用できない」とクレームも。恨み節を受けたワン監督だが、外国映画として制作予定だったものを日本映画にしたのは、たけしに出てほしかったからで、「もう一人の監督(たけし)にいろいろ提案してもらって仕上がった」と本作に自信を見せた。
そして西島もたけしに対し、「こんなことばかり言ってますけど、現場では全然そんなことない。手を抜かず演技されていて、映画に対する情熱と愛情が深い方だとあらためて強く感じました。今後の俳優人生の財産になりました」と感謝の思いをぶつけ、シャイなたけしを照れさせた。(取材・文:鶴見菜美子)
映画『女が眠る時』は2016年公開