市川猿之助「ONE PIECE」歌舞伎化でルフィ、ハンコック、シャンクスの1人3役!
歌舞伎俳優の市川猿之助が28日、都内で行われた「スーパー歌舞伎II『ワンピース』」製作発表記者会見に出席し、世界的人気漫画「ONE PIECE」の歌舞伎化作品で、主人公・ルフィのほか、女海賊のハンコック、赤髪のシャンクスの3役を務めることが発表された。
「ONE PIECE」は累計発行部数3億2,000万部を誇る尾田栄一郎のメガヒット漫画。体がゴムのように伸びる特殊能力を持った少年ルフィが仲間と共に“麦わらの一味”を結成し、海賊王を目指す海洋冒険ロマン。一方の「スーパー歌舞伎II」は、市川が現代の演劇界を代表する才能たちと、全く新しい舞台空間の創造を目指して誕生したもの。
この二つが融合を果たす「スーパー歌舞伎II『ワンピース』」は、ルフィの兄・エースをめぐる、海賊と海軍の死闘を描いた「頂上戦争編」を描く。原作ファンの間でも人気の高いエピソードを選んだことに、「歌舞伎は名場面だけを上演できるから」と笑顔を見せる市川だが、原作は1巻の10ページまでしか読んでいないそうで、その理由を「全くONE PIECEを知らない人の目線がなくなるから」と原作を知らない人でも楽しんでもらえるよう、あえて原作を読まないことにしたと語った。
また、3役を務めることについては「今回のルフィは、主人公だけど、ケガをしていてあまり活躍しないので良い役ではない。その中で、早変わりができて、女形が主な僕の特性を生かせないかと考えた」と説明。加えて、「裸にシャツのルフィだけだと豪華な衣装が着られないので、ハンコックをやって憂さを晴らそうかな」と冗談交じりに語る。そして、ルフィの手が伸びるという特徴については「伸ばしたくない。伸ばす必要があるのか」と駄々をこねたこともあったそうだが、現在は、「格好悪いと思いつつも、どこかで伸ばさなきゃいけない」という考えに至ったそうで、歌舞伎的手法か現代的手法にするか、目下思案中であると顔をしかめた。
この日は、脚本・演出の横内謙介、安孫子正松竹株式会社副社長も出席。さらに、尾田からのメッセージも届けられた。尾田は市川から「すべての所作が美しいのが歌舞伎」と言われたことがあるそうで、「これは海賊と美しさのコラボレーション。歌舞伎というフィルターを通すと、海賊たちがどんな美しさを放つのか。市川猿之助さんという才能に超ご期待ください!!」と期待を込めた。(取材・文:鶴見菜美子)
スーパー歌舞伎II「ワンピース」は新橋演舞場にて10月7日から11月25日まで上演