西島秀俊、黒沢清監督と10年ぶり4度目のタッグ!傑作ミステリー実写化で犯罪心理学者に
俳優の西島秀俊が、第68回カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門監督賞を日本人初受賞した鬼才・黒沢清監督と、2005年の『LOFT ロフト』以来10年ぶり4度目のタッグを組み、前川裕のミステリー小説「クリーピー」を映画化することが明らかになった。29日に配給の松竹&アスミック・エースが発表した。公開は2016年初夏の予定で、主演を務める西島は、「黒沢監督とご一緒するのは約10年ぶりです。緊張しますが、撮影現場がとても楽しみです」と8月から始まる撮影を心待ちにしている。
第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を基にした本作は、元刑事の犯罪心理学者・高倉(西島)が、不可解な事件と奇妙な隣人に翻弄(ほんろう)されるさまを描くサスペンススリラー。かつての同僚・野上の依頼で6年前の一家失踪(しっそう)事件を分析する高倉は、唯一の生き残りである長女・早紀の記憶をたどるも核心をつかめずにいた。一方、高倉が妻の康子と共に引っ越した新居の隣人の西野は、何気ない会話で高倉夫妻を惑わす。そんな折、突然家に駆け込んできた西野の娘は、「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」と衝撃の言葉を告げる。
西島と同じく4度目の黒沢組参加となる香川照之が西野役を務めるほか、黒沢組初参加の竹内結子、川口春奈、東出昌大がそれぞれ康子、早紀、野上にふんする。脚本は黒沢監督の教え子である『東南角部屋二階の女』などの池田千尋監督が黒沢監督と共同執筆し、原作とは異なるオリジナルの展開が繰り広げられる。撮影は8月初頭から9月初頭にかけ都内や関東近郊で全編ロケが行われる。
「身近で起きていてもおかしくない、そんな恐怖を描いたリアルで重厚な素晴らしい脚本です」と本作の見どころは背筋の凍るような“恐怖”だと話す西島は、「監督、スタッフ、キャストの皆さんと、誰も見た事のないような恐怖を創り出したいと思っています」と久々の黒沢組に意気込む。
また、黒沢組初参加のキャスト陣は感激もひとしおの様子で、「黒沢組初参加ということで緊張もありつつ、どんな世界なのか、撮影初日を迎える日が待ち遠しいです」と期待を膨らませる竹内や、「憧れの黒沢清監督と、こんなにも早くご一緒出来る事に驚きはありましたが、大変嬉しく、光栄に思います」という東出が、西島や香川ら黒沢組経験者とどんな化学反応を見せるのかにも注目だ。(編集部・吉田唯)
映画『クリーピー』は2016年初夏に全国公開