第12回ラテンビート映画祭17作品発表!グリーナウェイの新作から加山雄三主演作まで
スペインやラテンアメリカ圏の映画の新作をいち早く上映する「ラテンビート映画祭」第12回が10月8日より東京を皮切りに開催。イギリスの名匠ピーター・グリーナウェイがメキシコを舞台にした新作『エイゼンシュテイン・イン・グアナファト』や、加山雄三主演の『リオの若大将』など全17本が上映される。
今年も世界各国の映画祭に出品された話題作など、えりすぐりのラインナップがそろう本映画祭。恋人と駆け落ちしたマヤ族の女性の人生を通し、先住民族の因習や貧困、乳幼児誘拐など社会問題に踏み込んだグアテマラ・フランス合作の『火の山のマリア』、『NO』でアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたパブロ・ラライン監督が、伝統やおきてに縛られたカトリック教会の闇に迫った社会派ドラマ『ザ・クラブ』。そして、イギリスの名匠ピーター・グリーナウェイが、『戦艦ポチョムキン』などで知られるロシアの巨匠セルゲイ・M・エイゼンシュタインのメキシコ滞在を描いた『エイゼンシュテイン・イン・グアナファト』。いずれも第65回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された作品で、『ザ・クラブ』は審査員グランプリを、『火の山のマリア』はアルフレッド・バウアー賞(※新しい視点をもたらした作品に授与される賞)を受賞している。
そして今回の目玉の一つが、本映画祭初の3D上映となる『バルセロナ3D 炎のバラ』。観光名所だけでは知り得ないバルセロナの日常を追ったドキュメンタリーで、日本語版ナレーションを菊地凛子が務めている。そのほか、スペインのアレックス・デ・ラ・イグレシア監督がスペインの国民的歌手を主演に迎え、テレビの番組収録を巡る大みそかの人間模様をブラックに描いた『グラン・ノーチェ!最高の大晦日』、『ブラック・ブレッド』でスペインのアカデミー賞ゴヤ賞を総なめにしたアウグスティ・ビリャロンガ監督が、1990年代後半のハバナの下町を舞台に貧困の中でたくましく生きる人々を描いた青春映画『ザ・キング・オブ・ハバナ』を本国に先駆けて上映。
偉大な画家の邸宅で発見された女性の遺体を巡るミステリーで、2話完結のテレビドラマ「クローズド・ルームズ(英題)/ Closed Rooms」は、ワールドプレミア上映となる。本作の原作者カレ・サントスが、スペインの海外ドラマ「情熱のシーラ」の原作者マリア・ドゥエニャスと共に、本映画祭の書籍をテーマにしたイベント、「文学と映像」にパネラーとして登壇する予定。(編集部・石井百合子)
第12回ラテンビート映画祭は、10月8日から12日まで東京・新宿バルト9にて、10月23日から25日まで大阪・梅田ブルク7にて、10月30日から11月1日・11月3日に神奈川・横浜ブルク13にて開催
※書籍イベント「文学と映像」は10月7日、スペイン大使館にて18:00より開催予定