ロンドン映画祭ラインナップ発表!『海街diary』『思い出のマーニー』『バケモノの子』『あん』など邦画もずらり
第59回ロンドン映画祭のラインアップが発表された。オープニング作品はサラ・ガブロン監督の『サフラジェット(原題)/ Suffragette』、クロージング作品はダニー・ボイル監督の『スティーブ・ジョブズ(原題) / Steve Jobs』。映画祭ディレクターが特別な賛辞を寄せた是枝裕和監督の『海街diary』など邦画も多数参加する。
『サフラジェット(原題)』は、実在の英婦人参政権運動家エメリン・パンクハースト(メリル・ストリープ)に賛同する女性(キャリー・マリガン)を主人公にした映画。英国映画協会ディレクター、アマンダ・ネヴィルがラインアップ発表会冒頭で映画界の男女格差について言及するなど、早くも女性の権利を考えるきっかけとなっているのがうかがえた。
『スティーブ・ジョブズ(原題)』はアップル創業者スティーブ・ジョブズ氏を描くもの。自社を追われるなどドラマチックな人生を歩み、亡き後も信奉者の多いカリスマ的なジョブズ氏を演じるのは、これまでにも数々のカリスマを演じてきたマイケル・ファスベンダーだ。
映画祭ディレクターのクレア・スチュワートは、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず共演の『海街diary』を紹介する際、メガホンを取った是枝監督について「いつも心の中にある」とコメント。『誰も知らない』『そして父になる』など心揺さぶる作品の数々で同映画祭に参加してきた是枝監督の存在は、しっかりと胸に刻み込まれているようだ。
ほかにも日本からは河瀬直美監督の『あん』、三池崇史監督の『極道大戦争』、園子温監督の『ラブ&ピース』、北野武監督の『龍三と七人の子分たち』と海外映画祭ではおなじみの監督作や、ロカルノ映画祭最優秀女優賞獲得の濱口竜介監督作『ハッピーアワー』、島崎遥香(AKB48)が主演することでも話題の中田秀夫監督作『劇場霊』、ジャ・ジャンクー監督の日中仏合作映画『山河故人(原題)』が参加。
アニメ映画では米林宏昌監督の『思い出のマーニー』と細田守監督の『バケモノの子』、短編映画では西川智也監督の『Sound of a Million Insects, Light of a Thousand Stars』、荒木悠監督の『ANGELO LIVES』、愛知大学が舞台の日英合作『For an Open Campus』、日本の森などが舞台となった日仏スウェーデン合作『Shape Shifting』と多彩にそろった。第59回ロンドン映画祭は現地時間10月7日から18日まで開催予定。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)