不眠不休のキャリアウーマンを演じたアン・ハサウェイ、2012年の忙殺期に「最後には疲れ果てた」
メリル・ストリープ演じるファッション雑誌の編集長にしごかれる社会人1年生を演じたヒット作『プラダを着た悪魔』から一転、新作『マイ・インターン』で真逆の役どころに挑んだアン・ハサウェイ。本作で、不眠不休でファッションサイトを経営するCEOを演じた彼女が、ヒロインと同様、最も多忙だった時期の辛さを振り返った。
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アンが演じるヒロインのジュールズは、1年半前に立ち上げた会社が成功し、220人のスタッフを束ねるバリバリのキャリアウーマン、そして一児の母でもある。仕事が忙しいからといって家庭をおろそかにすることもなく、常にスマートフォンやPCを片手に一日中走り回る姿を見ると、思わず過労で死んでしまうのではと心配になるほどだが、アンにも同じような時期があったという。
「2012年は、まさにそんな時期だった。『レ・ミゼラブル』を撮影し、『ダークナイト ライジング』が公開され、結婚した。その後『レ・ミゼラブル』が公開されて……という具合で、本当に忙しくてたまらなかった。最後には疲れ果ててしまったわ」と疲弊し切った当時を思い返すと同時に、「わたしには強く抱いている信念があるの。それはアーティストには、出力が終わったら充電期間が必要だっていうこと」と休息が不可欠であることを主張した。
本作でジュールズは忙殺されるあまり、会社の経営状況にさまざまな支障が生じ、外部から社長を迎えるべきだと重役から提案される。夫とも不仲になり、いよいよ追い詰められたジュールズは大きな決断を迫られることになるが、アンは「おかしなことに、大きな決断だと思っていたことが、実は対して人生に影響を与えるものではなかった、ということがよくあるのよ。逆に、カジュアルに選択してしまったことが、後々大きな影響を及ぼしたりね」と経験値を感じさせる持論を展開。
そして迷える人々に対し、「一つ言えるのは、自分の勘に頼って決断した選択は良い結果を招く、ということね。直感に従うことはとても重要よ。そして、どうしようかしら、これをやろうか、やるまいか。でも経験のためにやってみたいわと迷って決めたことは、大体うまくいくものだった」と明快で潔いアドバイスを送った。『プラダを着た悪魔』から9年後、オスカー受賞後の多忙期を経てすっかり貫禄を増したアンの、パワフルな女社長ぶりには女性なら誰しもが勇気づけられるはずだ。(取材・文:編集部 石井百合子)
映画『マイ・インターン』は10月10日より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国公開