ピース又吉「火花」映像化、林遣都&門脇麦らメインキャスト決定!
お笑いタレントの作品として史上初となる芥川賞を受賞し、話題となったピースの又吉直樹作『火花』をインターネット動画配信サービスNetflixが映像化する作品で、林遣都、波岡一喜、門脇麦がメインキャストに決定したことが明らかになった。なお、『余命1ヶ月の花嫁』『ストロボ・エッジ』などの廣木隆一が総監督を務める。
同小説は、売れないお笑い芸人・徳永と、彼が師匠と慕う先輩芸人・神谷との交流を通して人間の根本を描く、又吉の自伝的要素を含んだ青春小説。発行部数は239万部に達し、芥川賞受賞作品としての単行本発行部数が歴代1位になるなど、いまだに衰えぬ勢いを誇っている。
そんな話題作の映像化作品で、「スパークス」という漫才コンビで活動し、常に憂鬱な性格の主人公・徳永役に、映画『バッテリー』で俳優デビュー以降、活躍が目覚ましい林が抜てき。徳永の先輩にあたる天才肌の芸人・神谷役に『パッチギ!』『クローズZERO』シリーズなどで幅広い配役をこなしてきた波岡、そしてその神谷と同棲し、原作で“絶対的な美”として描かれている女性・真樹役にNHK連続テレビ小説「まれ」などへの出演で知られる新鋭の門脇が決定。また、全10話の連続ドラマとして製作される本作の総監督を少女コミックの映画化を近年多く手掛ける廣木が務め、各話の監督を『凶悪』の白石和彌、『南極料理人』の沖田修一、『探偵事務所5"』の久万真路といった面々が担当する。
このたび芸人を演じることになった林は、「シュールなやり取りの中に光る芸術的な表現、一人一人の人間らしさがひしひしと伝わってきて、夢中になり引き込まれました」と原作を読んだ感想を述べ、「この本に詰め込まれている又吉さんのお笑い哲学、お笑い愛を必死に読み解きながら、責任を持って徳永を演じさせていただきたいと思います」と力強く意気込んだ。一方、これまでに芸人を演じた経験や芸人との親交も熱いことから起用された波岡は、「正直なところ今は、楽しみ半分、不安半分な状態です」と語ったが、林からはすでに「波岡さんは本読みの段階から“神谷さん”でした」と太鼓判を押されているほど。そして、又吉の大ファンだという門脇は自身の役どころについて「闘っている男性を支えながら生きていく女性の強さは美しいものだなと常日頃から感じています。今回は芸人を支える女性の役ですが、強くしなやかに表現できたら」とコメントした。
一部では、同小説の映像化権をめぐる激しい合戦が繰り広げられていると報じられていたものの、9月から日本でのサービスを開始したNetflixがそれを制し、又吉が所属する吉本興業株式会社と共に映像化を手掛け、1話約40~50分の全10話の連続ドラマとして2016年春に日本と世界に向けて独占配信する。11月上旬にも撮影が開始され、来年2月頃のクランクアップを予定している。すでに注目を浴びている本作だけに、廣木総監督は「芥川賞受賞作品の映像化ということはとても光栄であり、太宰治にも通じる暗さが現代にも通じると信じられる作品にしたいと思います」と固い決意を表した。(編集部・石神恵美子)
連続ドラマ「火花」は2016年春よりNetflixにて配信開始予定