武田梨奈、今井雅之さんの遺作公開で涙ぐむ
女優・武田梨奈と俳優・大杉漣が24日、都内にて行われた映画『かぐらめ』の初日舞台あいさつに登壇し、本作が今年5月に大腸がんのため亡くなった今井雅之さんの遺作となったことを受けて、今井さんを偲ぶ一幕があった。
共演の大杉は「今井さんとはVシネマでやくざ役をやっていたころに出会いました。元気な方で、舞台を愛している方でした。今井さんの俳優としての思いや魂がいっぱいこの作品に詰まっています」とコメントした。
また武田も、本作の撮影に協力していたという奥秋泰男監督のお母さまが亡くなられたことに触れ、「お母さまが公開前に天国に逝かれてしまって、完成を一番楽しみにしていたと思うんですけど、観られなくて。今井さんもそうですけど、絶対にどこかで見ていてくれていると思います」と涙ぐみながら語った。
本作は富士山麓の小さな町を舞台に、伝統芸能である「獅子神楽」の継承をめぐる親子の葛藤や人間の愛情を描いた作品。主人公の秋音役を務めた武田は、「オファーをいただいたとき、たった2枚のプロットでしたが、あらすじを読んだたけで大号泣してしまいました。『出会えたな!』って思いました」と作品への強い思い入れを明かす。武田は劇中で神楽舞も披露しており、「監督から(上手に舞えなくても)『魂で舞えば伝わる』と言われ、わたしなりの神楽を舞わせてもらいました」と語り、「役者としても人間としても成長させてくれた作品。わたしの代表作になりました!」と自信たっぷりに本作をアピールした。この日は、筒井真理子、黒川芽以、朝加真由美、森岡龍、奥秋監督も出席した。(取材:福住佐知子)
映画『かぐらめ』は全国公開中