女優・原節子さん死去 ひっそりと生涯を終える
日本映画を代表する女優の原節子さんが、9月5日に神奈川県の病院で肺炎のため、95歳で亡くなっていたことが関係者への取材で明らかになった。
原さんは、1920年6月17日生まれで神奈川県横浜市出身。黒澤明や小津安二郎、成瀬巳喜男といった日本の巨匠が手掛ける映画作品に出演。『わが青春に悔なし』(1946)や『東京物語』(1953)をはじめとした名作に出演し、日本人離れした美しさで絶大な人気を誇った。
また美貌だけでなく演技も高く評価されていた原さんは、生涯で小津安二郎監督作品に何度も出演を果たし、稲垣浩監督の『忠臣蔵 花の巻 雪の巻』(1962)を最後に女優としてのキャリアに幕を閉じ、翌年に行われた小津監督の葬儀以来、表舞台に姿を見せなかった。生涯独身を通し、現在まで静かに隠遁(いんとん)生活を送っていたのだという。(編集部・那須本康)