『007』のセットにはいつもダニエル・クレイグの歌声が響いていた!
映画『007 スペクター』にジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)を執拗に追う悪役ヒンクス役で出演したデイヴ・バウティスタが、ダニエルは撮影の合間にいつも歌を歌っていたと明かした。
WWEのプロレスラーとして名をはせ、近年は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のドラックス役など俳優として活躍するデイヴは、本作で『007』シリーズ初参加。撮影前には一緒にワークアウトも行ったというダニエルについて「俺の参加をとても歓迎してくれ、居心地よくしてくれた。ダニエルは世界で一番シリアスな人間ってわけじゃない。テイクの間にはいつも、ジョークを言って回って、歌を歌って、人々を楽しませていた」と語る。
「サム(・メンデス監督)のセットはとてもシリアスで静か。撮影中でないときでさえ、皆よくささやいていた。なぜなんだろうね(笑)。でも、皆ささやいていたんだ。だから、たとえセットの外にいたとしても、ダニエルが歌っているのが聞こえるわけさ(笑)。テイクの間にジェームズ・ボンドが歌を歌って、笑って、ジョークを言って……というのは、そこに居る皆の気分がよくなるよ」。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督と、メンデス監督の違いについては「ジェームズはすごく社交的で、常にエキサイトしていて、オタクだ。エネルギーに満ちていて『アアアアアアー!!!!』って感じ。サムはとても柔らかく話すんだ。そしてとても正確」とデイヴ。「ジェームズはカメラが回っていても走ってこっちにやって来て『こうやって!!!! こういう風にやってみて!!!!』と言う。サムが監督のときはカメラを回し続けたりはしない(笑)。彼は『カット』と言ってゆっくりこっちへやって来て、小さなささやくような声で話すんだ」と声色を変え、対照的な両監督の姿をまねてみせた。
そんな正確なメンデス監督が特にこだわったのは、ヒンクスがハンカチで手をふくシーンだという。「彼にとって、俺が爪をきれいにするやり方というのがとても重要だったんだ。彼は“これ”というものを求める。だからいつでも一対一のとてもプライベートな会話があった。それが彼の監督法だと思う。とても気分が安らぎ、落ち着くことができた」。このほか4週間のリハーサルをしてから臨んだ列車内でのボンドとの格闘シーンなど、デイヴのダイナミックさとメンデス監督の正確さはとてもうまくかみ合っているといえる。(編集部・市川遥)
映画『007 スペクター』は公開中