日本アニメの魔法少女コスプレに憧れる白血病の少女、その願いが父に悲劇を招く…
架空の日本アニメ「魔法少女ユキコ」の大ファンである白血病の少女の父と、心に闇を抱える女性たちの運命がひょんなことから交錯していくスペイン映画『マジカル・ガール』の予告編が公開され、『私が、生きる肌』などの巨匠ペドロ・アルモドバルも絶賛したその不思議な世界観が明らかになった。
第62回サンセバスチャン国際映画祭作品賞と監督賞を受賞した本作。日本のアニメ「魔法少女ユキコ」の大ファンで、そのコスチュームを着て踊ることを夢見るアリシアは、白血病で余命わずか。そんなまな娘の願いをかなえるため、父ルイスは失業中にもかかわらず高価なコスチュームを手に入れようと奔走する。しかし、彼の行動が心に闇を抱えている女性バルバラや、ワケありな元教師ダミアンを巻き込み、想像を絶する悲劇的な結末を迎えることに……。
公開された映像では、軽快な音楽と共にダンスを踊るアリシアの姿が映し出されると、彼女が望む魔法少女のコスプレ衣装販売サイトが登場。「娘の欲しいものを買ってやりたいが失業中で金がない」と頭を悩ませる父ルイスが、片手に持った石らしきものをガラス張りのショーウィンドウに投げ込もうとしたその時、「うぇっ」という嫌な音と共に不吉な液体が上から降り注ぐ……。そんな背筋が凍るような場面の後はそれまでの哀しげな雰囲気から一転し、バルバラや彼女との過去を持つダミアンらが登場する不穏な場面が続々。果たして彼らとルイスはどう関わっていくのか? 新鋭カルロス・ベルムト監督が日本の要素をちりばめ、ブラックユーモアたっぷりに紡ぎ出す、摩訶不思議で独創的な世界観に惹(ひ)き付けられる仕上がりとなっている。(編集部・吉田唯)
映画『マジカル・ガール』は2016年3月12日にヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA ほかで公開