中村吉右衛門主演「鬼平犯科帳」シリーズ、150本目で長い歴史に終止符
1989年7月に中村吉右衛門主演でスタートしてから、長きにわたって時代劇ファンを魅了してきたドラマ「鬼平犯科帳」(フジテレビ系)が、12月18日放送の「鬼平犯科帳スペシャル 浅草・御厩河岸」、そして記念すべきシリーズ150本目となる2016年末から2017年初頭に放送予定の「鬼平犯科帳スペシャル」(前後編2本)をもってフィナーレを飾ることが明らかになった。
江戸時代後期、盗賊・凶賊たちから「鬼の平蔵」と恐れられた、火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵を描いた故・池波正太郎氏の人気小説「鬼平犯科帳」(文春文庫刊)が原作の本ドラマシリーズ。ドラマ化にあたって、「原作にないものはやってくれるな」という原作者・池波氏の遺言を守り、映像化可能と思われる作品を全て使用した後は、複数の原作を組み合わせるなど工夫を重ねてきたものの、本数を重ねるごとにその作業も限界を迎えつつあることが今回の大きな決定要因だという。
もちろん、シリーズ150本目という大きな節目で、有終の美を飾りたいという思いもあってのことだ。人間国宝でもある主演の中村は、「思えば、物語の長谷川平蔵の年齢と同じ45歳で原作者の池波正太郎先生から作品をお預かりして四半世紀、大変魅力的な“鬼の長谷川平蔵”という役に、真摯に、そして一所懸命に向き合って参りました」としみじみ切り出し、「これまでを振り返りますと、本当に様々な場面が思いだされますが、江戸家猫八師匠や高橋悦史さん、真田健一郎さん、蟹江敬三さんなど、27年の間に鬼籍に入った大切なキャストやスタッフもおり、改めて月日の流れを感じます。長きに渡り鬼平犯科帳を演じてこられたのも、視聴者の皆様のご声援、キャストやスタッフの皆様のご協力、フジテレビ並びに松竹の関係者の皆様のご尽力があってこそでございます。改めて感謝申し上げるとともに深く御礼申し上げます」と感慨深げに感謝を伝えた。(編集部・石神恵美子)
「鬼平犯科帳スペシャル 浅草・御厩河岸」は12月18日21時よりフジテレビ系にて放送