小林聡美&もたいまさこ「相変わらず何も起きない」と自虐
女優の小林聡美が21日、都内で行われた「ドラマW 山のトムさん」完成披露試写会に出席し、今回の出演作でも「相変わらず何も起きない」と自虐的に語る一方で、撮影中に行った共演者へのパワハラまがいの行為も自白した。
児童文学作家、故・石井桃子さんの原作を実写化した本ドラマは、田舎暮らしをはじめたハナ(小林)や友人のトキ(市川実日子)たち家族と、やんちゃな猫トムとの楽しい共生を優しい空気の中で描いた物語。この日の舞台あいさつには小林のほか、市川、光石研、高橋ひとみ、伊東清矢、佐々木春樺、もたいまさこが登壇した。
日常を淡々と描いた作品に出演することの多い小林は、「相変わらず何も起きないですけど」と自虐的なコメントで笑いを誘いつつも、「何も起きない分、奥に豊かさが広がっているというか、素朴な暮らしの中に幸せってあるんだなというのを改めて教えられた気がしました」としみじみ。小林との共演が多いもたいも「本当に相変わらず何も起きない」と同調しながら、「土に根差した生活に憧れるところがあるので新鮮でした」と笑顔で語った。
撮影は長野と山梨の県境にある自然豊かな八ヶ岳で、約1か月にわたって泊まり込みで行われたというが、光石、高橋、もたいは東京から通ったそうで、高橋は「電車に乗っていると、東京に近づくと臭いんですね。本当に素晴らしい空気の中にいたんだなぁと思って」と発言し、会場をざわつかせる。すると小林やもたいも「(空気が)全然違う」と深くうなずき、市川は「緑に囲まれて贅沢な時間だったけど、高橋さんたちが東京の香りを運んできてくれて、東京が恋しい気持ちもあった」と吐露。匂いに違いがあることを決定づけるコメントで会場を沸かせていた。
高橋いわく「見ているだけでよだれが出そうな食事」も見どころの本作。ロケ前の伊東は野菜をまったく食べられなかったそうだが、美味しい食事のおかげで多少克服できたという。しかし、やり方が少々強引だったようで、小林が「食事のシーンでわざと野菜をいっぱい取ってあげたりして、野菜を食べられるように協力しました」と明かす。市川が「パワハラですよね」と突っ込むと、伊東も「カメラが回っているときに、『ハイ』って急に渡されるから食べないといけない」と悲しそうに振り返る。とはいえ、それも伊東を思ってのこと。小林は「すごくお肌がきれいになった」と伊東の変化を喜び、「野菜ってすごいんだなぁ」と一人悦に入っていた。(取材・文:鶴見菜美子)
「ドラマW 山のトムさん」はWOWOWプライムにて12月26日より放送開始