『未知との遭遇』『ディア・ハンター』撮影監督ヴィルモス・ジグモンドさん死去 85歳
スティーヴン・スピルバーグ監督作『未知との遭遇』(1977)でアカデミー賞を受賞した撮影監督のヴィルモス・ジグモンドさんが1日にアメリカ、カリフォルニア州で亡くなったと、ジグモンドさんの友人でビジネスパートナーのユーリ・ネイマンが3日に自身のFacebookを通じて発表した。85歳だった。死因は明らかになっていない。
1930年にハンガリーで生まれたジグモンドさんは、1956年に同国で起きた、ハンガリー動乱の様子を撮影したフィルムと共にアメリカへわたり、1962年に市民権を取得した。渡米後は低予算作品の世界で、ホラー映画をはじめ、あらゆる分野の映画のカメラマンを務めた。
やがて芸術的なカメラワークが注目を浴び、『スケアクロウ』『脱出』など1970年代を代表する傑作の数々を担当。スピルバーグ監督をはじめ、ロバート・アルトマン監督(『ギャンブラー』『ロング・グッドバイ』)、マイケル・チミノ監督(『ディア・ハンター』『天国の門』)、ブライアン・デ・パルマ監督(『愛のメモリー』『ミッドナイトクロス』)など名だたる監督たちとタッグを組んだ。
2006年の『ブラック・ダリア』まで、アカデミー賞に4度ノミネート。ウディ・アレン監督の『恋のロンドン狂騒曲』(2010)など近年まで精力的に活動した。(編集部・入倉功一)