演出家・蜷川幸雄、肺炎で入院 演出舞台は延期に
数多くの舞台作品を手掛け、『青の炎』などの映画作品で監督も務めてきた演出家・蜷川幸雄(80)が、軽度の肺炎と診断され入院。埼玉・彩の国さいたま芸術劇場で上演予定だった演出舞台「蜷の綿(になのわた)-Nina's Cotton-」が延期されることが、同劇場のオフィシャルサイトで発表された。
オフィシャルサイトでは、「昨年12月中旬に体調を崩した蜷川幸雄氏は、軽度の肺炎と診断され、入院いたしました。その後、1月上旬から稽古に入る予定だった新作『蜷の綿 -Nina’s Cotton-』に向けて療養を続けておりましたが、体力の回復が十分ではないため、やむを得ず公演を延期することといたしました」と説明されている。
「蜷の綿 -Nina’s Cotton-」は、第56回岸田國士戯曲賞を受賞した演劇作家・藤田貴大が、蜷川の半生を書き下ろした新作舞台。2月9日~28日に蜷川演出版が、2月11日~25日に藤田演出版がそれぞれ上演される予定だった。
蜷川からも「『蜷の綿 -Nina’s Cotton-』は、50歳離れた藤田貴大さんが時間をかけてぼくのことを戯曲に書き上げてくれました。恥ずかしい気持ちはあるのですがとても面白いので、演出しようと決意していただけに、悔しい気持ちでいっぱいです。早く回復して劇場に戻ります」というコメントが寄せられている。
延期後の「蜷の綿 -Nina’s Cotton-」の上演日程は、あらためて発表されるよう。彩の国さいたま芸術劇場はチケット代金の払い戻しも受け付けている。また延期に伴い、同劇場では2月18日より、さいたまネクスト・シアター×さいたまゴールド・シアターによる「リチャード二世」、藤田が主催する演劇団体マームとジプシーによる「夜、さよなら」「夜が明けないまま、朝」「Kと真夜中のほとりで」が上演される予定。(編集部・井本早紀)