デヴィッド・ボウイ&アラン・リックマン追悼上映も…ベルリン映画祭ラインナップ発表
第66回ベルリン国際映画祭
第66回ベルリン国際映画祭のラインナップが出そろった。この1月に訃報が伝えられたデヴィッド・ボウイさんとアラン・リックマンさんの追悼上映や、日本映画特集もある。
音楽界のみならず、さまざまな分野に影響を与えてきた英ミュージシャンのボウイさんは、1976年から1978年までベルリンで暮らした。また、出演作のいくつかも本映画祭に出品されてきた。追悼上映されるのは、俳優としても活躍したボウイさん主演のニコラス・ローグ監督作『地球に落ちて来た男』(1976)。
映画『ハリー・ポッター』シリーズのスネイプ先生役でおなじみの英俳優リックマンさんは、独自の存在感でロマンチックな役柄から悪役までこなす名優だった。アン・リー監督とタッグを組み、本映画祭で金熊賞を受賞した『いつか晴れた日に』(1995)が追悼上映される。
注目のコンペティション部門には、パワフルなドキュメンタリー作品でオスカーほか各賞を獲得してきたアレックス・ギブニー監督がサイバー犯罪を撮った『ゼロ・デイズ(原題) / Zero Days』、『MUD マッド』のジェフ・ニコルズ監督が名コンビのマイケル・シャノンを主演に、特殊な能力を持つ息子を守る父親を描く『ミッドナイト・スペシャル(原題) / Midnight Special』など意欲作が並ぶ。
日本からは、パノラマ部門にビートたけし主演の『女が眠る時』が出品。たけしはスケジュールの都合で渡航できないが、西島秀俊、忽那汐里、ウェイン・ワン監督が映画祭に出席する。西島は主演作『クリーピー』(黒沢清監督)もベルリナーレ・スペシャルに出品されている。また、桃井かおりは、監督・脚本・主演作『火 Hee』がフォーラム部門に、出演作『フクシマ、モナムール(英題) / Fukushima, mon Amour』(ドリス・ドゥリー監督)がパノラマ部門に選出されている。
ほか日本勢は、杉本大地監督の『あるみち』がフォーラム部門、泉原昭人監督の『ウィータ・ラカーマヤ』が短編部門に。クラッシック部門では4Kデジタル修復された小津安二郎監督の『麦秋』がお披露目され、フォーラム・エクスパンデッド部門では映像作家の森下明彦作『Xenogenese』が展示される。
また「Hachimiri Madness: Japanese Indies from the Punk Years」と題されたフォーラム部門の特集では、現在活躍する日本の監督たちがキャリア初期に撮った8ミリ映画11本をデジタル上映する。園子温監督の『男の花道』『俺は園子温だ!』、塚本晋也監督の『電柱小僧の冒険』、諏訪敦彦監督の『はなされるGANG』、平野勝之監督の『愛の街角2丁目3番地』、石井聰亙(現:岳龍)監督の『1/880000の孤独』、矢口史靖監督の『雨女』、山本政志監督の『聖テロリズム』、緒方明監督の『東京白菜関K者』、手塚眞監督の『HIGH-SCHOOL-TERROR』『UNK』というラインナップだ。
現地時間11日から21日まで開催予定のベルリン映画祭。オープニング作品は、ジョエル&イーサン・コーエン監督がジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムほかオールスターキャストで贈る『ヘイル、シーザー!』に決まっている。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)