アニー賞功労賞に高畑勲監督喜び 有能な周囲の協力があってこそと感謝
スタジオジブリでさまざまな名作を生み出してきた高畑勲監督が、国際アニメーション協会(ASIFA)が主催するアニー賞で功労賞にあたるウィンザー・マッケイ賞を受賞。現地時間6日に米ロサンゼルスで開催された授賞式に登壇することはかなわなかったが、会場では監督からのコメントが読み上げられ、「なんという幸せでしょう!」と喜びの胸の内が明かされた。
同日、プレゼンターを務めたアニメーション批評家のチャールズ・ソロモンは「高畑先生は素晴らしいアニメの監督ですよ」と日本語と英語で紹介。特にキャラクターの人間性や日本の文化と伝統、自然環境の描き方が素晴らしいと称賛すると、会場には『火垂るの墓』『平成狸合戦ぽんぽこ』『かぐや姫の物語』など高畑監督が手掛けた作品の映像が映し出された。
その後、代理でトロフィーを受け取ったスタジオジブリの海外事業部の担当者であるジェフリー・ウェクスラーが、高畑監督の言葉を読み上げた。監督の言葉では「わたしは絵描きではありません。わたしのキャリアのすべては、何人もの有能な絵描きたちのすばらしい協力があってはじめて築かれたものです」とスタッフについて触れられるとともに、「わたしの真の仲間であるこの絵描きたちに、わたしは心の底から言いたい、ありがとう!」と感謝の気持ちが込められていた。
高畑勲監督による受賞コメント
ウィンザー・マッケイ! わたしの深く崇拝する名! 受賞者には尊敬する先輩たちがきら星のごとく並んでいる、すばらしい賞です。わたしがその末席を汚す光栄に浴することができるとは、なんという幸せでしょう! 喜んでお受けいたします。そして、主催者であるASIFA-Hollywoodに心から感謝の意を表したいと思います。わたしは絵描きではありません。わたしのキャリアのすべては、何人もの有能な絵描きたちのすばらしい協力があってはじめて築かれたものです。わたしの真の仲間であるこの絵描きたちに、わたしは心の底から言いたい、ありがとう! と。 高畑勲