忽那汐里、ビートたけしに産毛を剃られる
女優の忽那汐里が24日、東京の日本外国特派員協会で行われた映画『女が眠る時』の記者会見に出席し、ビートたけし演じる年の離れた恋人に産毛を剃られるシーンの持つ意味を流ちょうな英語で解説した。
本作は、海辺のリゾートホテルを舞台に、親子ほど年の離れた妖しいカップルと、その謎めいた関係に翻弄される小説家夫妻を描くミステリアスな物語。若く美しい美樹(忽那)の産毛を剃り、眠る姿を動画に記録し続ける初老の男・佐原をたけしが、佐原の行為をのぞき見ることに取り憑かれる作家・健二を西島秀俊が演じる。監督は、映画『スモーク』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞したウェイン・ワン。
セクシュアルな空気も漂うたけしとの共演について、忽那は「年の離れたカップルという設定ですので、不自然に見えないよう、現場でよい関係を築かなければと思っていました。でもたけしさんはとても寡黙な方で、あまりおしゃべりもできなかったんです。たけしさんと最初に撮ったのは、ちょっと変わっていて、一緒に蝶を捕まえるというシーンだったのですが、それを撮ってからよい関係になり、彼のそばにいるのがとても心地よく、また自信ももらえました」と振り返る。
さらに忽那は「佐原が美樹のうなじを剃るというシーンは、西洋ではセクシャルな意味はないかもしれません。でも日本では芸者の例など、うなじが女性にとってとても大切な部分だったという背景があります。日本の文化を昇華したシーンだと、ウェイン監督とも話し合いました」と印象的なシーンの裏話も明かした。
スペイン人作家ハビエル・マリアスの原作を、香港生まれでアメリカに住むワン監督が、日本人キャストを起用し、日本で撮影した国際色豊かな作品でもある。ワン監督について、忽那は「役者からイメージ通りの演技が出ないと決してOKを出さない人。感情がうまく表現できるまで辛抱強く待ってくれて、役者のクリエイティビティーを極限まで引き出してくれた」と演技に確かな手応えを感じているようだった。会見には、小山田サユリ、渡辺真起子も登壇した。(取材・岸田智)
映画『女が眠る時』は2月27日より全国公開