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魔法少女にあこがれて…衝撃のスペイン映画のモチーフは「まどマギ」と「セーラームーン」

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映画『マジカル・ガール』で、「魔法少女ユキコ」のコスプレをする少女アリシア
映画『マジカル・ガール』で、「魔法少女ユキコ」のコスプレをする少女アリシア - Una produccion de Aqui y Alli Films, Espana. Todos los derechos reservados (C)

 白血病に侵された少女の願いが引き起こす悲劇を描く衝撃のスペイン映画『マジカル・ガール』のカルロス・ベルムト監督が、「魔法少女まどか☆マギカ」「美少女戦士セーラームーン」など本作のモチーフとなった日本の魔法少女アニメに対する愛を語った。

【写真】「魔法少女ユキコ」になりたくて……アリシアの願い事ノート

 イラストレーター出身のカルロス監督はもともと日本の漫画やアニメが大好きで、かつて「ドラゴンボール」にオマージュを捧げたコミック「Comic Dragon」を出版したほど。そんな彼が、劇場映画デビュー作『マジカル・ガール』に、日本の架空のアニメ「魔法少女ユキコ」のコスプレにあこがれる少女アリシアを登場させた。「『ドラゴンボール』に衝撃を受けてからいろんな日本のアニメを観たんだ。その中でも『美少女戦士セーラームーン』が非常に心に残った。世界観はもちろん音楽もね。『魔法少女ユキコ』のドレスやステッキはあの作品から影響を受けていると思う」とカルロス監督はイメージ作りの参考にした日本アニメのタイトルを明かす。

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マジカル・ガール
来日した36歳の天才監督カルロス・ベルムト

 白血病に侵され余命宣告を受けたアリシアの願いをかなえるため、失業中の父親ルイスが「魔法少女ユキコ」のコスチュームを手に入れようとするのだが、ドレスはどうやらかなりレアな商品らしく、インターネットで90万円もの高額の値段がつけられている。その“子供のおもちゃ”にルイスは高い代償を支払うことになるのだが、そんな悲劇的な設定には「魔法少女まどか☆マギカ」に通じるものがあるという。「(『まどマギ』)に登場するネコ(※キュゥべえのこと)は悪いやつで、魔法少女たちがネコに願い事をすると、それと引き換えに魔女と戦わなければならない。『マジカル・ガール』の無垢な女の子の願い事が知らず知らずのうちに人を不幸にしてしまうという根底はそれと似ているかもしれない」。

 さらに、カルロス監督は「魔法少女ユキコ」の主題歌にも日本の楽曲を使用し、演歌歌手・長山洋子のアイドル時代のデビュー曲「春はSA・RA・SA・RA」(※フィンランドの歌手Einiによる『Kiitavan hetken hurma』のカバー曲) を選んだ。「YouTubeで1980年代~90年代の日本のアイドルの映像をたくさん観た。そこで彼女(長山)の歌を聴いたときに、目を閉じてこれがオープニングで流れることを想像し、『これだ!』と。具体的に言うなら、リズムと雰囲気、曲の構成が合ったんだと思う」。

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 「彼の作品の中で特に好きなのは『総員玉砕せよ!』」と生涯を通じてのお気に入りの漫画家として故・水木しげるを挙げ、ミュージシャンではPerfumeCharisma.com、映画では勅使河原宏監督の『砂の女』(1962)と新藤兼人監督の『裸の島』(1960)など、日本のカルチャーを愛しリスペクトするカルロス監督。『マジカル・ガール』は、そんな日本オタクの新鋭のユニークで洗練されたセンスがさく裂し、“マジカル”な味わいをもたらす一作となっている。(取材・文:編集部 石井百合子)

映画『マジカル・ガール』は3月12日よりヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA ほかで公開

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