ジェイク・ギレンホールを直撃、妻を亡くした男が人生を再生させていく映画とは?
演技派俳優ジェイク・ギレンホールが、新作『デモリション(原題) / Demolition』について、3月20日(現地時間)にニューヨークのエセックス・ハウスで行われたインタビューで語った。
本作は、交通事故で妻を亡くし、精神的に病んでいた投資銀行家デイヴィス(ジェイク)が、自動販売機のカスタマーサービス担当の女性カレン(ナオミ・ワッツ)と彼女の息子クリス(ジュダ・ルイス)との出会いによって、徐々に再生し始めていくというドラマ。映画『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレがメガホンを取った。
繊細な少年クリス役のジュダの演技は、若い頃のレオナルド・ディカプリオをほうふつさせる。「才能がある子役を一般の観客が見ると、その演技に輝きみたいなものを見い出すが、それは熟練されたものではなく、ある意味潜在的に備わっている才能やカリスマ性だ。ブライアン・サイプが執筆した優れた今作の脚本内のクリスは、ブライアンが最も気に入っているキャラクターで、そんな役を見事に演じたジュダは素晴らしかった」と絶賛した。
ジャン=マルク・ヴァレとのタッグについて「彼は映画の制作過程を大事にする男だ。彼は映画のキャリアを編集者としてスタートさせ、今でもその編集に重きを置いている。彼と仕事をするときは、彼がバケツいっぱいに入ったアイデアを用意し、そのいっぱいのアイデアを僕ら俳優陣やスタッフが、いかに調理していくかという感じだ。メイクアップも施さず、照明も使わず、カメラは俳優の肩越しから撮っている。直線的なアングルはなく、360度から撮られている感覚だ」と語るように、その撮影手法が気に入ったようだ。
主人公デイヴィスは崩壊した状態から再生していく。「クリエイトすることは、壊していくよりずっと大変だ。壊す過程は、ある意味自分の中に存在する子供のような内面を目覚めさせていく感覚で、誰もがそのような感覚を持ち合わせている。もちろん、それとは逆に大人の部分もあって、僕が大学時代に東洋の宗教を学んだ際に『Going to Pieces Without Falling Apart: A Buddhist Perspective on Wholeness』を読み、自己探索において、(人生の)全てのパズルピースを自分の前に並べてみながら、理解していくことが可能だとわかった」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)