黒木華、「昭和顔?」パブリックイメージに懐疑的
女優の黒木華が22日、都内で行われた映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』大ヒット御礼舞台あいさつに岩井俊二監督と共に出席し、自身の「昭和顔」というパブリックイメージに首をかしげる場面があった。
本作は、SNSで彼氏を見つけたことをきっかけに、“普通”の人生を手放してしまった七海(黒木)が、変幻自在の何でも屋・安室(綾野剛)、謎めいた真白(Cocco)との出会いを通して生まれ変わっていく様を、格差や、恋愛の多様なあり方など、現代社会が抱える様々な問題を絡めて描いた、現代版「女の一生」とも言える作品。
邦画ではヒットが難しい3時間に及ぶ上映時間にもかかわらず人気を集める本作は、全国28館から51館に拡大&ロングラン上映が決定。岩井監督は長時間であるが故に「公開が難航した。劇場側から勘弁してくれという雰囲気があった」と振り返ると共に、「(興行収入面では)ローテーションが効くショートフィルムの方がいいんじゃない?」と冗談を交えつつ、「皆さんのおかげです。ありがとうございます」と感謝。黒木もこの快挙を喜ぶと、「わたしは、映画やドラマ、写真とか自分の中に残るもので出来上がっているので、この映画が皆さんにとっての一つのセンテンスになればいいな」と作品をPRした。
この日は岩井監督がMCを務め、観客との「Q&A」も実施。「昭和顔女優」としてブレイク中の黒木に対して、「純日本的な役に対する役づくりやポテンシャル」について質問が飛ぶと、NHK大河ドラマ「真田丸」で真田信繁(堺雅人)の初恋の女性で側室・梅役を務める黒木は「真田丸などは違和感なく見てくれる顔でうれしいですし、(本作は)現代の話ですし、いろんなものをやれる女優さんになれればいいなというのをポテンシャルとして持っています」と返答。とはいえ、「そんなに昭和顔なのかな?」と胸中を吐露する場面も。
黒木を「平成の最先端女優」と語ったことがある岩井監督は、昭和の名女優・原節子の名前を挙げ、「全然、華ちゃんに似てないですよ。昭和だからこういう顔が多かったわけじゃない」と黒木の顔を「昭和顔」と評することに懐疑的な様子。黒木も、「昭和の女優さんは凹凸がしっかりしている方が多くて、すごく美しい」と分析すると、「(昭和顔と)言われると、すいません、すごい薄い顔なんです……と申し訳ない気持ちになります」と恐縮しきりだった。(取材/錦怜那)
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』は全国公開中